“測る”の先にある価値を創造、現場の安全を守るソーキの各種計測システム:メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2022(2/2 ページ)
「メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2022」で、計測機器のレンタル企業ソーキは、「測るの先に何があるのか、何をしたいのかを一歩先に進めたい」をコンセプトに、複数のサービスを紹介した。
周辺住民への騒音に配慮しつつ重機を誘導する「FM-Navi」
重機を現場で誘導する「FM-Navi」は、微弱なFM周波数(76.0〜108.0MHz)を利用して、重機オペレーターや誘導員の声を工事車両内に流して誘導に役立てるシステム。従来は、声出しやホイッスル、クラクションで車両誘導していたが、近隣への騒音対策が課題の1つだ。ソーキの製品担当者は、「現場作業員が一番嫌がるのは、周囲の住民のインフラを守るための作業が、逆に住民の生活を侵害してしまうこと。FM-Naviを使えば、安全で的確に指示を静かに行えるので、その心配が不要になる」と、このシステムで目指す価値を説明した。
FM-Naviは、重機オペレーターや誘導員が送信機とヘッドセットを装着し、工事車両内のラジオで周波数を合わせるだけですぐに使用できる。工事動車両の運転手は、オペレーターの声で具体的な指示を受け取れ、曖昧な誘導による接触事故の軽減や、オペレーターと別に配置していた誘導員の削減も期待される。
また、工事車両の運行管理には「ドラモニ」をラインアップ。遠隔運行管理システムは他社からも発売されているが、本システムの特徴は管理車両の運行状況(位置、運転状況)とドライバーの体調管理に特化したこと。必要最低限の機能に絞ることで、他社製品の約1/3の価格を実現し、導入ハードルを下げたという。
車載器は、車両の現在位置と運転状況(運転中か停車中か)の情報を収集。急ハンドルや急加速、急減速などの情報も収集するため、安全運転の管理に役立てられる。健康管理に関する生体情報(体温/心拍数/血圧)は、運転手の手首に装着したバイタルバンドで取得。運行状況とドライバーの健康情報はクラウドサーバに保存され、管理者は常時確認でき、異常が確認されれば、すぐにドライバーに注意喚起できる仕組みとなっている。
ブースではほかにも、3つのカメラで撮影した画像から、独自の画像解析アルゴリズムを使って配筋の3次元情報を抽出する3眼カメラ配筋検査システム「写らく」、無線式傾斜計とレーザー変位計とクラウドで架設桁の変異を遠隔から日々モニターするシステム「Bridge Monitor(ブリッジモニター)」を出品した。
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