位置プラス「高車管理」のキーレスシステムを開発、竹中工務店:ICT
竹中工務店は、東海理化や東海理化クリエイト、レンタルのニッケンとともに、位置プラス「高車管理」のキーレスシステムを開発した。位置プラスの高車管理は、竹中工務店が開発した高所作業車の位置把握や予約などを行う業務アプリで、他社も含めて幅広く利用されている。今回は、高車管理の予約機能と東海理化のデジタルキーを連動することで、高車鍵のスマートフォンアプリでの解錠が可能となり、元請会社・協力会社の鍵管理手間を削減する。なお、大阪市内の建設現場にて実証試験を完了し、現在、キーレスシステムの実用化に向け供給体制を構築しているだけでなく、システムは、国内の建設現場で運用されている22種類の高車に取り付けられる。
竹中工務店は、東海理化や東海理化クリエイト、レンタルのニッケンとともに、位置プラス「高車管理」のキーレスシステムを開発したことを2022年5月19日に発表した。
高車鍵の返却状況を管理する手間をカット
近年需要が増えている物流倉庫や生産施設、商業施設などの建築工事では、内装・設備工事の足場として多くの高車を使用する。一方、元請会社は、高車をレンタル会社から一括で借り受け、利用する協力会社を割り当てる配車を行い、配車に合わせて、高車鍵の貸し出し、返却管理業務を実施している。
こういった状況を踏まえて、竹中工務店は、2021年に高車の位置や予約などを統合的に管理するアプリの高車管理を開発し、元請ゼネコン職員と協力会社職長の配車に関わる業務を効率化してきたが、鍵の貸し出し・返却業務には手間がかかっていた。
しかし、高車鍵のデジタル化は現場から求められていたが、レンタル会社が保有する高車のメーカー・機種は多数あるため、対応するキーレスシステムの開発は難易度が高く、実現が困難だった。
そこで、竹中工務店は、東海理化や東海理化クリエイト、レンタルのニッケンとともに、高車管理のキーレスシステムを開発した。キーレスシステムは、建設現場への搬入前に高車の鍵部分にあらかじめ取り付ける「外付けキーレスデバイス」と、建設現場内で高車管理アプリの予約機能と連動して解錠信号を送信できる「解錠システム」で構成される。
解錠システムは、高車管理アプリの予約機能とデジタルキーを連動させ、予約者が保有するスマートフォンのアプリを通じてBluetoothの解錠信号を送信する他、外付けキーレスデバイスは、解錠信号を受け付けて解錠の制御を行う。
既に、竹中工務店は、施工を担当する大阪市内の建設現場で、2022年3月から4月にかけてキーレスシステムの実証試験を実施した。実証試験では、竹中工務店の職員が、高車鍵の返却状況を管理する手間などを無くし、1日当たり30分の業務削減効果を生じ、協力会社の職長は、高車鍵の貸し借りに伴う負担が不要となり1日当たり15分の作業削減効果を確かめた。さらに、キーレスシステムを用いると解錠操作の履歴をアプリで確かめられるため、稼働率の向上が期待される。
今後は、外付けキーレスデバイスはレンタルのニッケン、高車管理アプリと連動する解錠システムは竹中グループで、同アプリの導入運用支援サービスを提供する朝日興産を通じて、2022年9月頃から全国の建設現場に提供を開始する予定だ。
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