自動ドアにビーコン搭載の「OMNICITY」、入店時にクーポン表示や店員呼び出しなどが可能に:第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−(1/2 ページ)
オプテックスが提案する自動ドアに新たな機能を追加した「OMNICITY」は、自動ドアのセンサー部分にビーコンを追加することで、店舗や施設などで通過する際に、人の入退を検知し、タイミングを合わせた情報発信やクーポン配布、スタッフの呼び出しなど、これまでにないサービスが実現できる。
オプテックスは、建築総合展「第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−」(会期:2021年12月6〜8日、東京ビッグサイト)内の「第1回 商業施設・店舗DX展」で、自動ドアのセンサー部分にビーコンを取り付け、顧客満足度や運営効率の改善を図る「OMNICITY(オムニシティ)」を出品した。
ビーコンの弱点“電池切れ”を克服した「OMNICITY」
オプテックスは、国内の自動ドアに関するセンサー分野でシェアを持つメーカー。1980年に、遠赤外線式の自動ドアセンサーを他に先駆けて製品化して以降、ニッチな分野を中心に斬新な製品を提供し、市場での存在感を強めている。
展示会場で披露したのは、自動ドアのセンサー部分にビーコンを内蔵し、店舗や施設に入店した人に自動でサービスを提供する仕組み。コンビニに設置すれば、入店したタイミングで客の手持ちスマートフォンに、限定のクーポンを表示するといったサービスも可能になる。施設や場所に応じた柔軟な使い方が見込めるため、利用者と管理者の双方にメリットが見込める。
ビーコンは、一定間隔で端末固有のID情報などを発信する装置。ID情報の発信はBluetoothを介して、比較的狭い範囲の受信対象にだけ、情報を送ることができる。スマホにビーコンを受信できるアプリを入れておけば、ビーコンの設置場所を通過した際に、管理者に通知するという使い道も想定される。もし、複数のビーコンが設置してあれば、移動の軌跡(経路)を把握することにもなる。
ビーコンは小型のなので、設置場所を選ばない。また、電池で運用できるので、電源工事なども不要なのが一般的だ。しかし、これが弱点になることもある。
電池は消耗するので、定期的な交換が欠かせないが、ビーコンの設置環境によっては、予定よりも早く電池が切れてしまうこともある。問題なのは、多くの場合は、電池が切れたことが管理者側で正確に把握できないことだ。
その点、OMNICITYは電池切れの心配がない。オプテックスは、ビーコン機能を組み込んだ自動ドアのセンサーをリリースしており、その多くは電池ではなく電源で稼働する。
OMNICITYは、設置場所が自動ドア部のために、店舗や施設などに人が出入りするタイミングでビーコンを利用する。ブースの説明スタッフは、コンビニであれば、客が入店するのと同時に、客のスマホに割引クーポンを送信したり、キャンペーン情報を送ったりできると話す。また、性別や年齢などの個人情報を登録したアプリであれば、ターゲットにマッチしたサービスが実現すると説明する。
一例として、車いすの利用者や視覚に障害があることを利用者がアプリに登録しておけば、自動ドアを通過するだけで、施設に到着したことを管理者に通知する。これにより、病院での受付けなどの迅速化などが見込まれる。
ほかにも、自動ドアにビーコンがあれば、店舗、病院、ホテルなど、業態に応じて各種のサービスが可能になる。オプテックスの担当者は、「日本では200万台の自動ドアがある」とし、ビーコンを装着した自動ドアセンサーの販売に力を入れていきたいと語った。
OMNICITYの利用には、既に設置されている自動ドアのセンサーをオプテックスの機器(メディアセンター)に交換。その後、オーナー登録などを行うだけで完了する。
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