矢野経済研究所、2022年度のマンション管理市場に関する調査結果:産業動向
矢野経済研究所が2022年度における国内の分譲マンション管理市場の調査を実施。マンション管理費と共用部修繕工事を合わせたマンション管理市場全体は、中長期的に成長すると予測した。
矢野経済研究所は2022年度における国内の分譲マンション管理市場の調査を行った。調査期間は2022年1月から3月、マンション管理会社などに調査を実施した。同調査におけるマンション管理市場とは分譲マンションを対象とし、マンション管理費市場および共用部修繕工事市場により構成される。
同調査によると、2020年のマンション管理費市場規模(管理費ベース)は、前年比2.4%増の7831億円と推計した。新築分譲マンション完工戸数は微減傾向で推移しているが、新築分譲マンション価格の上昇に連動する形で管理費は引き続き上昇していることから堅調な伸びが続いている。一方、2020年の共用部修繕工事市場(工事金額ベース)は、前年比5.9%減の6892億円と推計。コロナ禍で理事会や総会が開催できず、共用部修繕工事の延期・先送りなどが影響したという。
また、2027年のマンション管理市場は、2020年比15.6%増の9,053億円と予測した。人口減少や少子高齢化などの問題に加え、新築分譲マンション開発に適した用地不足や中古住宅流通市場の拡大などを背景に、新築分譲マンションの供給戸数の先細りが見込まれるものの、新築分譲マンションが供給され続ける限り、マンション管理市場は拡大すると分析した。
共用部修繕工事市場については、2027年は2020年比8%増の7444億円と予測。経年劣化に伴う小規模な修繕工事の増加や大規模修繕工事適齢期を迎えるマンションストック数の増加により、共用部修繕工事市場の中長期的な拡大が見込まれるという。
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