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“100年に一度の街づくり”を進める「中野駅前再開発」の概況プロジェクト(3/5 ページ)

本稿では、東京の賑わいを担う街として、“100年に一度”の街づくりでさらに発展が見込まれる「中野」駅周辺地域の再開発計画について、複数資料からこれまでの経緯と今後の見通しを紹介する。

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外観が特徴的な中野区新庁舎のプロジェクト概要

 GD3策定の2012年以後はどうか。同じ中野四丁目地区で日本設計が監理し、設計・施工を竹中・協永・明成・武蔵野・INA特定建設共同企業体(JV)が担当しているのは「中野区新庁舎整備事業」。もともとは、中野サンプラザの西隣にあった区役所を移転し、隣接する四季の都市内に建て替えるもので、新築は2020年3月に着工し、2024年2月29日までの工期で施工中。2022年1〜2月には、躯体の立ち上げを実施している。

 計画地は、中野区中野4−11の敷地面積8557.38平方メートル。四季の都市(警察大学校跡地)の北東側にあたり、四季の都市の中心を東西に走る中野区画街路1号と、街区の東側を区切るけやき通りに面した一角。四周を憩いの広場や歩行空間で囲い、西隣の中野四季の森公園との一体感を創り出すことを構想している。


中野区新庁舎整備事業の概要(2021年9月時点) 出典:中野区Webサイト「中野区新庁舎整備事業 実施設計の進捗状況について」

 新庁舎の規模は、S造一部RC造/SRC造で、地下2階・地上11階立て(塔屋1階)。延べ床面積は4万7286.65平方メートルで、免震構造を採用。「構造・意匠・環境が三位一体となって相乗効果を発揮する安全で環境にやさしい庁舎」をデザインコンセプトに掲げ、外装膜パネルやトレリス(構造フレーム)により、木立ちの幹や枝葉を表現し、圧迫感の少ない開放的な外観形状としている。

 また、ライフサイクルコスト(LCC)を低減させることで維持管理の効率化をあらかじめ見据えている以外にも、CASBEEのSランク取得を目指している。


木立の幹や枝葉を表現したファサードが特徴となっている中野区役所新庁舎の設計図面 出典:中野区Webサイト「中野区新庁舎整備事業 実施設計の進捗状況について」

実施設計段階での中野区役所新庁舎のファサードコンセプト 出典:中野区Webサイト「中野区新庁舎整備事業 実施設計説明書」

実施設計段階での中野区役所新庁舎の南西側からの外観イメージ 出典:中野区Webサイト「中野区新庁舎整備事業 実施設計説明書」

“高層ツインタワー”の中野二丁目再開発


高層ツインタワーの完成予想パース 出典:中野二丁目地区市街地再開発組合、住友不動産プレスリリース

 中野駅の南側エリアでも、大規模再開発が計画されている。中野二丁目地区市街地再開発組合は2020年3月、「中野二丁目地区第一種市街地再開発事業」に着手。組合には住友不動産が参画し、コンサルタント/基本・実施設計にはアール・アイ・エー、建築施工と特定業務代行者に西松建設。東京都住宅供給公社の旧中野住宅の跡地など、周辺の土地区画整理事業との一体施行により、“高層ツインタワー”(再開発組合)と呼ぶ高さ最大約150メートルのマンションなど2棟を新設する。なお、西松建設は、土地区画整理事業との双方に携わっている。

 市街地再開発事業の土地は中野駅に至近で、西側を南口駅前広場、北側を千光前通りに接している。敷地面積約1万81平方メートルに対して、建築面積は約7850平方メートル。ツインタワーは、北側の住宅棟と南側の業務棟の2棟で構成。このうち住宅棟は地下1階・地上37階で、業務棟は地下2階・地上20階。建物は2024年2月に完成予定で、土地区画整理事業側の南口駅前広場は2025年度内の完工の見通し。

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