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“100年に一度の街づくり”を進める「中野駅前再開発」の概況プロジェクト(2/5 ページ)

本稿では、東京の賑わいを担う街として、“100年に一度”の街づくりでさらに発展が見込まれる「中野」駅周辺地域の再開発計画について、複数資料からこれまでの経緯と今後の見通しを紹介する。

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警察大学校跡地は「中野四季の都市(まち)」へ

 中野駅周辺再開発の劈頭(へきとう)をかざったのは、中野4丁目に存在していた警察学校跡地の再開発事業だ。現在は、「中野四季の都市(まち)」と呼ばれている一帯で、GD3策定前の2007年に土地取得を完了し、開発を進めた。街区の目玉となる大規模複合施設「中野セントラルパーク」の3棟は、2012年6月に全体竣工を終えている。改めて振り返ってみよう。


右から「レジデンス(住宅棟)」「サウス(南棟)」と「イースト(東棟)」のイメージパース 出典:東京建物、鹿島建設、昭栄、日本土地建物、戸田建設プレスリリース

左から「サウス(南棟)」「レジデンス(住宅棟)」の完成外観 出典:東京建物、鹿島建設、昭栄、日本土地建物、戸田建設プレスリリース

 事業者は東京建物、鹿島建設、昭栄、日本土地建物、戸田建設の5社が出資する中野駅前開発特定目的会社。「中野四季の森公園」(都市計画公園)約1.5ha(ヘクタール)を囲むように東側に「イースト(東棟)」、南側に「サウス(南棟)」「レジデンス(住宅棟)」の計3棟を整備した。所在地は中野区中野4−10−1他。

 建物の概要は、中野セントラルパークイーストは敷地面積6045平方メートルに、S造・一部SRC/RC造の地下2階・地上10階建て、免震構造を採用し、延べ面積は3万9025平方メートルの規模で建設。現在は、主にオフィス、店舗、駐車場として供用されている。設計・施工は戸田建設で、2012年3月に竣工した。

 一方、サウス(南棟)は敷地面積2万3835平方メートルに、S造・一部SRC/RC造の地下1階・地上22階建て、延べ床面積15万1523平方メートル。制震構造で、用途はオフィス、店舗、駐車場、集会場(ホール)。設計・施工は鹿島建設が担当し、2012年5月にオープンした。

 なお、サウス棟の基準階(3〜21階)での専有面積は、約1500坪にも及ぶ日本最大級の高層オフィスビル。低層の公園側は、1〜2階部分を店舗としており、約400人を収容可能なコンベンションホール、5つのカンファレンスルーム(貸会議室)を備える「コングレスクエア」を構える。イースト棟とともに、Low-E複層ガラスや高効率照明、自動調光システム、自然換気システム、太陽光発電を導入しており、「CASBEE(建築環境総合性能評価システム)のSランク相当を実現している。

 3棟目のレジデンス(住宅棟)の敷地面積は937平方メートル。S造地上5階建てで、延べ床面積は1748平方メートルで、賃貸住宅17戸が入居。設計・施工は鹿島建設で、2012年5月に供用開始した。

 3棟全体でBEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)による建物の省エネルギー対策に取り組むなど、環境面でも隙のない事業だ。

 中野セントラルパーク竣工後には、南西に明治大学、西に帝京平成大学、北西側にある東京警察病院の西には早稲田大学を誘致。さらに中野四季の森公園の北西側、中野セントラルパークイーストの北では中野区新庁舎が2024年6月の完成予定で建設を進めている。


躯体の立ち上げを実施中の中野区新庁舎(2022年1月現在) 出典:中野区「中野区新庁舎整備事業」Webサイト

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