丸の内エリアを対象とした災害時の情報連携プラットフォームの機能を拡張、三菱地所:防災(2/2 ページ)
三菱地所は、公共交通機関のTwitter情報と自動連携し、災害対策機関での情報共有と帰宅困難者向けの情報発信を行うプラットフォーム「災害ダッシュボードBeta」を開発した。今後は、千代田区とともに、防災対策や首都直下地震に対するスマートシティーの機能として、2022年度中に災害ダッシュボードBetaを丸の内エリアに実装していく見込みだ。
デジタルサイネージ約100台に専用ダッシュボードを放映
災害ダッシュボードBetaの実証実験では、「公共交通機関のTwitterで配信された情報の自動連携と一時滞在者施設における満空情報の専用ダッシュボードへの配信」「エリア巡回バスによる災害時負傷者の搬送」「デジタルビジョンでの緊急放送の遠隔起動」を行った。
公共交通機関のTwitterで配信された情報の自動連携と一時滞在者施設における満空情報の専用ダッシュボードへの配信では、2021年10月7日に都内で地震が発生した時に配信された公共交通機関のTwitter情報を専用ダッシュボードに自動表示し、千代田区災害対策本部からの発信を想定した一時滞在者施設の満空情報も映した。
エリア巡回バスによる災害時負傷者の搬送では、三菱地所のスタッフが、千代田区から貸与された「MCA・IP無線機」を用いて、丸の内エリア内で運行している日の丸自動車興業の丸の内シャトルに負傷者の搬送を要請し、東京都千代田区のオフィスビル「丸の内二重橋ビル」で負傷者を収容した。その後、同区のオフィスビル「三菱ビル」とJR「東京」駅でも1人ずつ負傷者をピックアップして、仮救護施設「聖路加メディローカス」に運んだ。
加えて、丸の内シャトル内に搭載されたスマートフォンで、バスの位置情報と車内の映像を取得し、関係者で共有した。「搬送先の聖路加メディローカスでは、負傷者カウントアプリを使い、運ばれた患者のトリアージと人数を収集し、千代田区の保健所と東京都に共有している」(澤部氏)。
デジタルビジョンでの緊急放送の遠隔起動では、専用のスマホアプリで、丸の内ビルディングのリモートスイッチ試作機を稼働させ、建物内の放送設備を操作し、丸の内エリア内に配置されたデジタルサイネージ約100台に、模擬TVニュースやTwitter情報、帰宅困難者受け入れ施設の満空情報で構成される専用ダッシュボードを放映した。
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