年間300棟以上の設計コンサルをこなす、実務者目線の設計効率テク「目からウロコ!これからのクラウド活用術」〈後編〉:A-Styleフォーラム Vol.8(3/3 ページ)
福井コンピュータアーキテクトは2021年10月1日、Webセミナーイベント「A-Styleフォーラム Vol.8」を開催した。建築分野におけるクラウド活用をメインテーマに、日本マイクロソフトによる基調講演から指定確認検査機関による建築確認申請のWeb申請に関わる講演、実力派設計コンサルによる設計効率化テクニックの講演など、多彩かつ充実した3時間となった。第3回の後編となる今回は、エー・ディー・エル一級建築士事務所 三ノ宮浩氏によるテクニカルセミナーをレポートする。
申請先都合でなく申請者都合での電子申請の作業フローを整える
三ノ宮氏は会社で使うARCHITREND ZEROは、ネット認証占有という形で、1セットを独占使用している。外出時はノートPCで接続するDropbox上のデータを最新データと同期させなくてはならない。
あるとき、出張前にその同期作業を行いながらデスクトップ側のARCHITREND ZEROを操作したところ、いつの間にか同期に失敗していたことがあった。その結果、出先でDropboxのZEROデータを開くと更新されておらず、会社での一日分の作業成果が失われてしまった。便利だがリスクも大きい運用法として、「同じように使うのは推奨はしない。使うなら自己責任で」と三ノ宮氏は強く呼びかけた。
いささかリスキーなデータ保管方法の対案としては、三ノ宮氏は最新のARCHITREND ZERO Ver.8に実装されたデータ共有サービスの新機能「ATDrive(ARCHITREND Drive)」を挙げた。最新機能だけに同氏も簡単に試しただけだが、Dropboxと同じような形で使えてストレスもあまり感じなかったとのこと。もちろん最初にARCHITREND ZEROデータをアップロードする際は多少の時間は掛かるが、一度上げてしまえばどこからでも便利に使えるのはDropboxと同じ。「在宅リモートで、ARCHITREND ZEROを自宅で使う場合など、非常に便利に使える」と三ノ宮氏。
三ノ宮氏は「もはや電子申請への対応は避けられないのだから、上手に活用すべきだろう。それは、ただ単に“申請先の都合”に合わせるのでなく、“申請者(自分)の都合”に合わせて電子申請し、仕事を効率的に回すということだ」。いつでもどこからでも申請できるのだから空いている時間に行えば、他の作業に充てられる時間も増え、設計効率も向上する。そのためには、どこにいても同じクオリティの図面が描けるシステム作りが欠かせない。ARCHITREND ZEROユーザーは、各種機能をどこまで使い込めるかが重要なカギになると三ノ宮氏は提言し、講演を終えた。
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