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プロジェクション型VR技術を活用した体感型共同学習システムを開発、清水建設VR

清水建設は、プロジェクション型VR技術を活用した体感型共同学習システム「VR-Commons」を開発した。VR-Commonsは、室内の壁と床面に疑似立体投影した映像コンテンツを利用し、グループ学習や体験型学習の場を創出するVRシステム。利用者は、ゴーグル型ディスプレイなどのデバイスを装着せずに仮想現実の学習空間を体感でき、関連資料や教材を投影面に重ね合わせて表示することにも対応している。また、複数のVR-Commons拠点をつないで映像コンテンツを共有するため、遠隔地にいる学習者とも同一空間にいるかのような感覚で学び合える。

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 清水建設は、教育施設向けシステムインテグレーション事業の一環として、プロジェクション型VR技術を活用した体感型共同学習システム「VR-Commons」を開発したことを2021年12月21日に発表した。

他拠点にいる人物のリアルタイム映像を表示可能

 国内では、企業が展開する事業のグローバル化やデジタル化の影響で、大学などの学校教育に対する社会のニーズが変容し、各教育施設は、従来の一方向的な講義主体の授業から、学生の能動的な学びを促すアクティブラーニングに教育の重点を移し始めている。

 一例を挙げると、アクティブラーニングを支援する環境整備の一環として、学校図書館ではIT機器や共同学習スペースを備えたラーニングコモンズを導入する動きが増加。一方、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、今後は、対面とオンラインのハイブリッド型授業の常態化が見込まれ、文部科学省は大学授業へのVR活用を支援する方針を打ち出している。

 上記の大学教育を取りまく環境の変化を踏まえて、清水建設は、新たな共同学習環境を提供することを目的にVR-Commonsを開発した。

 VR-Commonsは、プロジェクター、センシングシステム、カメラシステム、VRプラットフォーム、専用サーバなどから構成され、室内の壁3面と床面に投影した映像を同期させることで、没入型のVR環境を構築する。プロジェクションの映像には、360度カメラで撮影した静止画や動画、BIMモデルなどのCG画像を使え、グラフや図表といった関連資料も背景映像と重ね合わせて表示できる。


「VR-Commons」のイメージ 出典:清水建設プレスリリース

 さらに、ユーザーインタフェースには、3Dモーションセンサーを採用し、利用者はジェスチャーで資料の呼び出し操作や移動操作を行える。また、VR-Commonsは、拠点間通信機能も備えており、遠隔地のVR-Commons拠点と学習空間を共有することにも応じる。加えて、共有空間には他拠点にいる人物のリアルタイム映像を表示可能なため、遠隔地の対象者とのグループ学習にも対応する。

 清水建設では、2021年12月下旬に、VR-Commonsの実用化に向けた概念実証(PoC)の一環で、VR技術の第一人者である東海大学 濱本和彦教授の協力を得て、東京都港区の東海大学高輪キャンパス内にVR-Commonsを試験導入し、実授業の場として活用している。今後は、教育施設に加え、オフィスビルや工場、ホテル、病院などの施設へも導入する予定だ。

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