パナソニックが提案する地震後の“通電火災”を防ぐ「感震ブレーカー」、被災後3分間は避難確保:BCP対策(1/2 ページ)
国や研究機関などで、国内では30年以内に高確率で大規模地震の発生が予測されており、そのリスクとして建物の倒壊やインフラ構造物の損傷など1次災害のみにスポットが当たることが多い。しかし、被災した後に被害を拡大させないためには、火災に代表される2次災害をいかに防ぐか、平時にどのような対策を講じておくかが重要となる。パナソニックでは、地震後に火災が発生する主要因となる“通電火災”に着目し、住宅での2次災害を未然に防ぐ「感震ブレーカー」の啓発に注力している。
パナソニック エレクトリックワークス社は、近年国内で頻発する地震を受け、災害時の2次災害となる“通電火災”を未然に防ぐ「感震ブレーカー」の有用性を解説するウェビナーを2021年12月21日に開催した。
セミナーでは、パナソニック エレクトリックワークス社 エナジーシステム事業部 マーケティングセンター 高森恵太氏が来るべき大地震への備えとして、感震ブレーカーがなぜ必要なのか、パナソニック製品の特長的な機能とともにプレゼンした。
感震ブレーカーを取り巻く動向
国内では、今後30年以内に震度6弱以上の地震が頻発する恐れがあり、地震災害の1つとして揺れが収まり電気が復旧した後でも、倒れた電気製品や破損した電気ケーブルが火元となって、「通電火災」が発生することが懸念されている。事実、東日本大震災を例にすれば、火災の発生原因で半数を上回る54%が通電火災によるものだったという。
こうした危険性を鑑み、日本電気協会では2019年に「内線規程」を改定し、感震ブレーカーの適用区分で自治体の定める防火地域・準防火地域を推奨から“勧告”へ引き上げた。行政側でも、2021年7月時点で計65の自治体が補助金制度を運用しており、感震ブレーカーの導入を促している。
感震ブレーカーを製造販売するパナソニックでは、売上が大手ハウスメーカーでの採用などが後押しとなり、2018年から右肩上がりに伸長し、2021年度上期には前年度同期比で175%に達している。
2021年7月に実施した独自の実態調査では、「知らない」が72%と多数を占め、「感震ブレーカーを知っている」は28%で、このうち「自宅にある」は6%にとどまり、認知・設置ともに低水準であることが判明した。一方で、今後については「設置したい」が62%となり、高森氏は「今回の調査のような感震ブレーカーの機能や重要性を知る機会があれば、新たな需要喚起につながると分かった」と話す。現にパナソニックでは、自治体や消防機関を巻き込み、合同イベントなどを定期的に開催し、感震ブレーカーの周知に努めている。
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