JFEエンジらがプラント建設で役立つ3機種を開発、機器据付時間を90%減らすロボとは?:ロボット(1/3 ページ)
JFEエンジニアリングは、アクティオや岡谷鋼機とともに、プラント建設で役立つ現場用施工ロボット「ECoCa」「Carryf」「Dexhand」を開発した。
JFEエンジニアリングは、アクティオや岡谷鋼機とともに、神奈川県相模原市のエスアールエス教習センターで、プラント建設現場用施工ロボット「ECoCa(エコカ)」「Carryf(キャリフ)」「Dexhand(デクスハンド)」といった新機種を紹介する記者発表会を開催した。
会場では、JFEエンジニアリング 代表取締役副社長 四方淳夫氏、細谷清一郎氏、アクティオ 代表取締役社長 小沼直人氏が新機種の機能と特徴を説明した後、場所を移し、各ロボットのデモンストレーションを行った。
3機種の上市は2022年度中
JFEエンジニアリングの四方氏は、「当社は、JFEグループの総合エンジニアリング会社で、社会インフラとエネルギーの分野で事業を展開している。こういった事業で清掃工場や天然ガスプラントの建設に携わっているが、施工条件が頻繁に変化するため、工事の自動化と機械化は難しく、熟練技能を持つ多数の作業員と多くの時間を必要とする。そこで、建設機械に知見があるアクティオと岡谷鋼機に建設現場用施工ロボットの開発を相談し、今回の3機種開発に至った。現在、テストフィールドで3機種の動作確認や検証を重ねており、2022年度中の上市を予定している」とあいさつした。
次に登壇したJFEエンジニアリングの細谷氏は3機種の機能を説明した。ECoCaは、機器の搬送と据付が行えるロボットで、運搬する機器のサイズや現場の通路状況に合わせて、XYZの方向に伸縮する機能を持つ。具体的には、可搬重量は3トンで、X方向に1.4〜1.8メートルもしくは1.8〜2.4メートル伸縮し、Y方向に3.0〜3.7メートル広がり、Z方向に2.0〜3.2メートル伸びる。走行パターンは、専用コントローラーによる「四輪操舵(そうだ)」「その場での旋回」「横行」の3種類。専用コントローラーとECoCaの通信は2.4GHzのWi-Fiを介して行われる。
安全性に関しては、バンパースイッチと機体の5カ所に非常停止ボタンを搭載している他、走行中には、取り付けられた音響装置が音楽を流し、装着された回転灯が点灯し、周囲の作業員に注意喚起を図る。さらに、約100ミリの段差乗り越え機能を持ち、荷重を分散し衝撃を緩和する補助輪も付いている。
JFEエンジニアリングの細谷氏は、「当社で検証した結果、ECoCaによる空気圧縮機(2トン)の据付作業は、従来手法と比べ、人員を約60%削減し、作業時間を80〜90%短縮することが分かっている」と効果を述べた。
続けて、「将来は、自動位置認識技術の導入やBIMと空間情報などの処理を行えるようにし安全な資機材の搬送を実現する。加えて、補助輪に自動昇降機能を搭載し、200ミリの段差乗り越えを達成して、現行品より重い荷重に耐えられるようにし積載荷重量を増やす」と補足した。
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