新潟地域振興局の河川工事では初、福島潟でICT浚渫工事を実施:導入事例
小柳建設は、新潟地域振興局の河川工事では初となるICT浚渫(しゅんせつ)工事「福島潟広域連携(河川)浚渫工事」を実施。パイプを通して浚渫土を空気圧送する同社独自の高濃度・薄層浚渫工法「泥土吸引圧送システム」とICT浚渫を組み合わせ、高精度の出来形管理と高効率施工を目指す。
小柳建設は、新潟地域振興局の河川工事では初となるICT浚渫(しゅんせつ)工事「福島潟広域連携(河川)浚渫工事」を実施している。
同社は、効率化を目的に、以前よりICT技術「マシンガイダンス」を用いた浚渫工事、3D深浅測量「マルチビーム」による測量を試行してきた。今回は、パイプを通して浚渫土を空気圧送する同社独自の高濃度・薄層浚渫工法「泥土吸引圧送システム」とICT浚渫を組み合わせ、高精度の出来形管理と高効率施工を目指す。
泥土吸引圧送システムは2007年特許を取得し、「Made in 新潟新技術普及・活用制度」にも認定されている。悪臭を伴う土砂を直接くみあげて運搬すると、水中に舞い上がったり、作業現場周辺の環境汚染につながったりする恐れがある。同社の技術は、高濃度で土砂を薄層吸引し、高低差52メートル、圧送距離3.5キロメートルという距離をパイプライン1つで圧送できる優れた工法だ。
今回の施工土量は900立方メートル、圧送距離は1.3キロメートルで、自社で保有するマシンガイダンスを搭載したバックホウにて浚渫作業を行った。マシンガイダンスとは、施工機械の位置情報および施工状況を車載モニターを通じてオペレータに提供し、操作をサポートするICT技術のことだ。従来は、施工と検測を繰り返しながら進めていたが、国土交通省の調査では、ICT建機を用いることで、重機の日当たり作業員が約4分の3になるとしている。
また、出来形確認ではマルチビームを活用する。マルチビーム測深は、調査船に装着したソナーから扇状に発振された超音波ビームの反射波により水深を取得する。従来のシングルビーム測深が線で計測するのに対し、マルチビーム測深システムは面的に詳細な地形状況を計測できる。施工前の3D設計データの作成から建機へのセンサーなど取り付け、キャリブレーションまでを内製化し、さらなる技術力向上を図っている。
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