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Wi-Fi・机・ハンモックを設けた空間で渋谷を活性化、来街者の回遊性を高める実験産業動向(1/2 ページ)

渋谷未来デザインは、日建設計と協業し、東京都渋谷区の地域活性化と混雑緩和を目的とした実証実験を2021年11月10〜13日に行った。

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 渋谷未来デザインは、日建設計とともに、東京都渋谷区の東急百貨店本店とオフィスビル「渋谷ソラスタ」の前で、街の混雑緩和と地域の活性化を目的とした社会実験「ShibuyaMobility and Information LoungE(SMILE)」を2021年11月10〜13日に行った。

 同年11月12日にはSMILEの取材会を開いた。会場では、日建設計 イノベーションデザイングループ ラボリーダー Nikken Wood Lab 大庭拓也氏や同グループ 大和田卓氏が、SMILEの概要と目的を説明した。

机、ベンチ、ハンモックを約30分で誰でも簡単に組み立てられる「つな木」を活用

 SMILEでは、東急百貨店本店と渋谷ソラスタの前に、日建設計が開発した木質ユニット「つな木」やLuupが提供する電動アシスト自転車と電動キックボードのシェアサービス「LUUP」で構成されるスペースを構築した。

 そして、上記のスペースを両エリアに配置することで、JR「渋谷」駅前などへの来街者の集中を防ぎ、人流を奥渋エリア※1などの地域に拡大し、さまざまな店舗の来店者を増やして、渋谷区全体の活性化を促すことを目指した。渋谷を訪れる人の回遊行動をデータとして把握することで、まちづくりの可能性を探ることも目的に掲げた。

※1 奥渋エリア:渋谷区の神山町、宇田川町、富ヶ谷エリアを指す


日建設計 イノベーションデザイングループ Nikken Wood Lab 大和田卓氏

 日建設計の大和田氏は、「つな木は、当社の研究グループであるNikken Wood Labが、日本の森林保全に欠かせない木材活用の促進を目的に開発したもので、組み立て、解体、移設可能な木質ユニットだ。具体的には、45ミリ角の一般流通無垢材やクランプと呼称される接合部材、移動用の車輪で構成された基本ユニットで、ベッドを置ける個室ブースを作れる“もしもつな木”と机、棚、ベンチ、ハンモックを約30分で誰でも簡単に組み立てられる“どこでもつな木”をラインアップしている。今回の実験ではどこでもつな木の試作品を使っており、どこでもつな木は2022年2月の発売予定だ」と語った。


東急百貨店本店前に設置された「つな木」のハンモック

日建設計 イノベーションデザイングループ ラボリーダー Nikken Wood Lab 大庭拓也氏

 日建設計の大庭氏は、「SMILEでは、東急百貨店本店前にはつな木を用いたハンモックと机や凸版印刷製のデジタルサイネージを配置し、渋谷ソラスタの前にはつな木の机、電源、Wi-Fiを設けて、食べ物を楽しめ、デスクワークを行える場とし、人が立ち寄りたいと思える場所に仕上げた。加えて、つな木の机に、奥渋エリアなどのオススメ店舗と公園のポストカードを陳列し、地域全体の回遊を後押ししている」と補足した。


「渋谷ソラスタ」前に配置されたつな木の机

ポストカードが陳列された東急百貨店本店前のつな木の机

つな木を開発したNikken Wood Labのメンバー、左から、日建設計 イノベーションデザイングループ 大和田卓氏、設計部門 プロジェクトデザイナー 今埜歩氏、イノベーションデザイングループ ラボリーダー 大庭拓也氏

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