大成建設が大規模生産施設でZEB認証、BELS最高ランクの5つ星:ZEB
大成建設は、一次エネルギー収支ゼロを目指す工場「ZEF」の第1号プロジェクトである「OKI本庄工場H1棟」において、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)で、5段階評価の最高ランクを獲得し、大規模生産施設で国内初となる「ZEB」認証を取得した。
大成建設は、一次エネルギー収支ゼロを目指す工場「ZEF」の第1号プロジェクトとして始動した「OKI本庄工場H1棟」において、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)で、5段階評価の最高ランクを獲得すると同時に、大規模生産施設で国内初となる「ZEB」認証を取得した。
同工場では建物を高断熱化と、室内のCO2濃度に応じた換気制御などを導入することで空調エネルギーを削減し、人感センサーによる照明制御などの採用で照明エネルギーを削減した。さらに屋根面積の約半分に太陽光発電設備を採用した。
その結果、一次エネルギー消費量を51%削減するとともに、太陽光発電で82%のエネルギーを創出することで、工場全体で133%削減、BEIは−△0.33を達成したという。
OKI本庄工場H1棟は、生産稼働状況によって空調や換気、照明を制御して省エネを図る当社の独自技術である「T-Factory NEXT」の導入や、同社エネルギーサポートセンターによる、クラウドシステムを用いた工場内のエネルギーデータのコンサルティング、OKI独自のセンシング技術を活用することで、運用段階のZEFと建物管理のDXを目指している。
政府が2014年に策定したエネルギー基本計画では、「2020年までに新築公共建築物等で、2030年までに新築建築物の平均でZEBの実現を目指す」という目標が示された。その後間もなく、大成建設は技術センター内にZEB実証棟を建設し、ZEB建築にかかわる技術の基礎研究を開始した。オフィスビルなどでZEBなどを実現した建築物を多数建設し、技術とノウハウを蓄積してきた。さらに、ZEBプランナー登録、ZEBリーディング・オーナー登録などのZEB化への取り組みを積極的に行い、「市場性のあるZEB」の普及拡大に取り組んでいるという。
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