国土強靭化に向けての予算規模はさらに上積みか、国交省予算概算要求を独自分析:市場動向(2/3 ページ)
建設HRは、2022年度の国土交通省予算概算要求から見る建設市場動向をまとめた。
■2050年カーボンニュートラルなど省エネ住宅を普及
「社会経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大」のための主な要求額をみると、「2050 年カーボンニュートラルなどグリーン社会の実現に向けた施策の展開」の一環で、「ZEH・ZEB の普及や木材活用、ストックの省エネ化など住宅・建築物の省エネ対策などの強化」に前年度予算の1.36倍となる1384億円が要求されていることが注目される(図表3)。
具体的な施策としては、「LCCM住宅、ZEH、ZEB、長期優良住宅などの整備への支援などの強化」「既存ストックの省エネ改修への支援などの強化」「優良な都市木造建築物などの整備や地域の気候風土に応じた建築技術・CLTなどの新たな部材を活用した先導的な取り組みへの支援の強化」「地域の中小工務店などの連携体制による省エネ性能などに優れた木造住宅の整備への支援の強化」「省エネ住宅・建築物の普及の加速に向けた中小住宅生産者などによる体制整備への支援」「大工技能者などの担い手確保・育成、都市木造建築物を担う設計者への支援」が実施されることになっており、省エネ住宅の普及を政策的に推進する姿勢が見てとれる。
■分散型の国づくりの一環として道路整備を推進
「豊かで活力ある地方創りと分散型の国づくり」のための主な要求額をみると、分散型の国づくりの一環として「地域・拠点の連携を促す道路ネットワークの整備」に前年度予算の1.24倍となる5319億円が要求されている(図表4)。このなかで、「地域・拠点をつなぐ高速道路ネットワークの構築」「ICや空港・港湾などへのアクセス道路の整備に対する安定的な支援」といった項目が掲げられており、道路整備への投資は堅調に推移するのではないかと考えられる。
また、「既存住宅流通・リフォーム市場の活性化」に前年度予算の1.74倍となる393億円、「多様な世帯が安心して暮らすことができる住宅セーフティネット機能の強化」に前年度予算の1.11倍となる1209億円が要求されており、住宅リフォームが政策的に推進される方向性にある。
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