清水建設が12カ所の工事現場でグリーン電力を導入し、2020年度に1500トンのCO2削減:産業動向
清水建設は、全国に点在する12カ所の工事現場でグリーン電力を導入し、2020年度に約1500トンのCO2削減を実現した。今後は、2021年中にグリーン電力の導入現場を2現場増やし、CO2排出量のカットをさらに推進する。
清水建設は、建設事業のCO2排出量削減を目的に、全国に点在する12カ所の工事現場でグリーン電力を導入し、2020年度に1年間のグリーン電力使用量が3.1ギガワットアワー(GWh)に達したことを2021年5月17日に発表した。
今回のCO2削減量は、約1500トンで、スギ林の年間CO2吸収量を1ヘクタール当たり8.8トンで換算すると約170ヘクタール分のCO2低減を実現し、一般家庭の年間CO2排出量を1世帯当たり2.72トンで換算すると約550世帯分に相当する。
清水建設が使用しているグリーン電力は、同社が2020年7月に出資したネクストエナジー・アンド・リソースからグリーン電力証書を購入することで調達している。
ネクストエナジー・アンド・リソースは、再生可能エネルギー発電所で発電された電力に含まれる「環境価値」を証書化。購入者は証書に記された電力量を使用電力に充当することで、再生可能エネルギーを使用したと見なされる仕組みになっている。
清水建設は、環境省が認定するエコ・ファースト企業として、2018年8月に「新たな構工法の開発やグリーン調達を推進するとともに、建設作業所で使用する重機、車両、機器の低燃費化を促進し、施工時の発生CO2を1990年度比で、2030年度に60%、2050年度に80%削減する」と宣言している。これに伴い、2020年4月から工事現場でグリーン電力を活用しており、2021年中に導入現場が2現場増えて14現場となる予定だ。
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