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「上期の建設市場は全月で前年同月を上回る、下期は民間工事も復調か」建設HRレポート:建設業の人材動向レポート(36)(1/3 ページ)
本連載では、建設HR 編集部(旧ヒューマンタッチ総研)が独自に調査した建設業における人材動向について、さまざまな観点で毎月レポートを発表している。今回は、国土交通省の「建設総合統計」と「建設工事受注動態統計調査」を基礎資料に、2021年上半期の市場動向と下半期の予測について考察している。
今回は、国土交通省の「建設総合統計」及び「建設工事受注動態統計調査」のデータを使って、建設業の2021年上半期(1月〜6月)の市場動向について分析する。
出来高は全ての月で前年同月を上回る
建設業の売上高に当たる建設工事の出来高について、2021年上半期の月別の推移をみると、全ての月で前年同月を上回り、6月の出来高は前年同月比2.1%増の4兆1228億円となり、コロナ禍が続く中でも、建設市場は好調に推移している(図表1)。
民間出来高は1〜4月は前年割れとなるも、5〜6月は増加に転じる
民間発注と公共発注の工事別の出来高について、2021年上半期の月別で推移をみると、民間発注工事の出来高は、前年に東京オリンピック・パラリンピック関連の工事が追い込みに入っていたこともあり、1〜3月は前年同月を大幅に下回っている。しかし5月には、前年同月比0.6%増と増加に転じ、翌6月は同2.7%増の2兆4411億円となり、徐々に民間の工事が増加していることが分かる(図表2)。
一方、公共の工事については、1月が前年同月比6.2%増、2月が同5.8%増、3月が同5.5%増と、前年を大幅に上回っていたが、4月以降は増加率が鈍り、6月は同1.3%増の1兆6817億円となった。
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