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2022年度に商用化を目指す「水空合体ドローン」、着水後に水中探査の子機が分離:Japan Drone2021(2/3 ページ)
「Japan Drone2021」でプロドローンは、世界初を謳う「水空合体ドローン」をはじめ、トンネル天井面検査や物資輸送や農薬散布、警備といった幅広い用途に対応した多様な機体のラインアップを披露した。水空合体ドローンは、現場まで自立飛行する親機と、水面に着水後に分離して水中を探査する子機から成り、飛行から、着水、分離、潜航、浮上、回収、帰還までを遠隔で制御できる。
非GPS環境下のトンネル内でも安定飛行する検査ドローン
既にさまざまな業種の企業で運用されている5機体のうち、ブース担当者が同社らしくユニークだと話すのは、トンネル天井面検査ドローン「PD-WL」。汎用の大型機「PD6B-Type2」の上部に、各種点検用センサーを取り付け、トンネル天井面にセンサーを押し付けながら飛び、クラックなどの異常を検出する。
機体には推進用プロペラを追加した他、自動張り付き、横ずれ防止、前後推進、段差乗り越え、操舵などの機能を実装しており、トンネル内の非GPS環境下でも安定した飛行が実現する。正確な計測には欠かせない、天井面に張り付いた際の機体の速度制御には、プロドローン独自の技術を採用している。
約1万本あるといわれる全国のトンネル(国土交通省調べ)の約3割が建設後40年以上経過しており、早急に点検が必要とされている。「2012年12月に起きた、中央自動車道笹子トンネルでの天井板崩落事故から2022年で10年を迎えるが、仮設足場や高所作業車の設置などの手間やコスト、検査員の人員不足など、トンネル内点検が抱える課題は多い。PD-WLは、そうした課題を解消する機体だ」(ブース担当者)。
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