-20〜+50度の厳しい現場で使用可能なタブレット、IP65/67に準拠し雨天にも対応:製品動向(2/2 ページ)
パナソニック モバイルコミュニケーションズは、従来機より処理性能やメモリとストレージの容量が向上した他、マイナス20〜プラス50度で操作可能な7.0型タブレット「TOUGHBOOK FZ-S1」を開発した。
従来品と比べて総合的な性能が1.8倍アップ
機能面では、OSに「Android10」を採用し、CPUに「Qualcomm SDM660」を導入した他、メモリ数を4ギガバイト(GB)にして、ストレージ容量を64GBとすることで、FZ-B1と比べて総合的な性能が1.8倍上がっている。
FZ-S1の入力モードは、指で操作する通常モードに加え、専用ペンでタッチ入力する「スタイラスペンモード」や雨の中でも指で自在にピンチインとピンチアウトが可能な「水滴誤動作防止モード」、手袋での操作に応じる「手袋操作モード」を備えている。また、ユーザーIDの登録と認証は、ユーザーが現在利用しているIDカードをFZ-S1に内蔵された近距離無線通信(Near Field Communication)で読み取ることで行えるため、複数人でFZ-S1を共有する現場でも個人が扱うデータのセキュリティが守りやすい。
落としにくく軽いデザイン
デザインは、モニターが設置されたフロント部の形状を八角形にし、コーナー部分の樹脂層を厚くすることで落下の衝撃を吸収・分散する構造として、背面部は、長時間の利用に配慮し、左右にグリップを取り付けて握りやすくした。さらに、FZ-B1と比較して、約20%の軽量化と10%の薄型化を実現。
軽量化と薄型化を果たせた理由について、パナソニック モバイルコミュニケーションズの土田氏は、「FZ-B1では放熱対策としてヒートパイプを使用していたが、FZ-S1ではその代わりとして軽くて薄い放熱シートを活用した。こうした取り組みを複数行うことで重さと厚みを減らした」と語った。
バッテリーは、約8時間使える3200ミリアンペアアワー(mAH)タイプと約14時間の利用に対応する5580mAHタイプをラインアップしている。両タイプともに、FZ-S1を起動したまま取り換え可能なウォームスワップ機能を搭載している。
オプションとしては、バーコードリーダーと拡張USBポートを用意している。バーコードリーダーは、顧客の要望に合わせて、縦もしくは横方向で筐体に取り付けられ、バーコードを起動するトリガースイッチは背面部にある左右のグリップに設けられる。拡張USBポートはUSB Type-A(USB 2.0)に対応する。
TOUGHBOOKシリーズの今後について、パナソニック モバイルコミュニケーションズの武藤氏は、「TOUGHBOOK事業は、エッジデバイス、アプリケーション、サービス・サポートといった3つの柱で成長する。エッジデバイスでは、これまでと同様に、軽く頑丈で高性能を追求していく。アプリケーションでは、物流・流通向けアプリを拡充するとともに、サブスクリプション型のアプリも増やし導入しやすくする。サービス・サポートでは、セキュリティの長期サポートやモバイルデバイスマネジメントサービスといったソフトウェアサービスを追加し、各サービスの質も高めていく」と方針を語った。
FZ-S1の通信タイプは、Wi-Fiで通信する「FZ-S1AJAAAAJ」やそのモデルに5580mAHタイプのバッテリーを搭載した「FZ-S1AJLAAAJ」、NTTドコモのワイヤレスWANで通信する「FZ-S1ADAAAAJ」とそのモデルに5580mAHタイプのバッテリーを取り付けた「FZ-S1ADLAAAJ」、KDDIのワイヤレスWANで通信する「FZ-S1AKAAAAJ」とそのモデルに5580mAHタイプのバッテリーを設置した「FZ-S1AKLAAAJ」の6種類をラインアップしている。いずれも価格はオープンプライス。
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