竹中工務店がRendraと“共通データ環境”の構築で技術連携、クラウド「StreamBIM」を核に:BIM
竹中工務店は、Rendraが開発したBIMのクラウドプラットフォーム「StreamBIM」で、BIMモデルをはじめ、ドキュメントや写真、360度画像など、あらゆるデータを一元的に管理し、多様なステークホルダーがアクセスできる共通データ環境(CDE)の構築に乗り出す。
竹中工務店は2021年4月9日、BIMを活用したデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)を加速させるため、ノルウェー・オスロ市に本社を置くRendra ASが開発した「StreamBIM」をBIMの共通データ環境の中心に据え、設計から施工、維持管理までの建設生産プロセス全体で、3Dや2Dを含めた情報管理技術開発で連携すると明らかにした。StreamBIMは、既に50を超える建設現場に導入しているという。
2D図面を含めた多様な情報管理を可能にする「StreamBIM」
竹中工務店では、建設現場における生産性向上を図り、建設業の魅力向上を実現するため、「竹中新生産システム」による業務プロセスの抜本的な改革を展開している。その中心的な取り組みの一つに、BIMを活用したDXがあり、多様なツールを使って作成したBIMモデル同士を連携させる「オープンBIM」を構想しているが、StreamBIMを活用した技術開発を進めることで、その適用範囲をさらに拡大させる。
StreamBIMは、BIMモデルを中心にドキュメント管理やワークフロー管理を行うことが可能なBIMクラウドプラットフォーム。PCやスマートフォン、タブレットといったデバイスで、BIMモデルを表示することができるとともに、2D図面を含めたさまざまな情報のドキュメント管理にも応じているのが特徴となっている。そうした情報を集約して一元的に活用することで、設計・施工段階、さらに維持・管理段階までに携わる全関係者間でのコミュニケーションの円滑化と可視化が実現する。
今後は両社で、StreamBIMと他のサービスとの連携を強化するための技術開発を進める。まず、現在オープンBIMとして使用している意匠・構造・設備のIFCモデルを読み込み、表示、干渉チェック、整合性チェック、空間分析などを行う「Solibri」と、IFCモデル上にテキストやスクリーンショットを追加するための統一フォーマット「BCF(BIM Collaboration Format)ファイル」を介したコラボレーション機能を強化。他にも、クラウドベースのBIMデータ管理ソリューション「dRofus」や360度画像管理ソリューション「HoloBuilder」などとの各種ソリューションとの連携も可能にし、BIMモデルの活用範囲を拡張していく。
また、竹中工務店は、日本でも認証が始まったBIMの国際規格「ISO 19650-1,-2」で、共通データ環境(CDE:Common Data Environment)の概念が定義付けられていることを受け、RendraとともにCDEの整備にも注力し、ゆくゆくは建設業界全体で活用されるエコシステムの構築にもつなげることを表明している。
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