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建設業の外国人労働者の実態をヒューマン総研が分析、「コロナ禍でも労働者数は増加」:建設業の人材動向レポート(31)(2/3 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向について、さまざまな観点で毎月レポート。今回は、2020年に労働者数が過去最高を記録した建設業界での外国人労働者の雇用状況について分析している。
■2020年ベトナム人が44.4万人で中国を抜いてトップに
国籍別の外国人労働者数では、最も多いのはベトナム人で44万4000人、次いで中国人が41万9000人、フィリピン人が18万5000人、ブラジル人が13万1000人(図表3)。
これら4国の推移では、ベトナム人が2014年の6万1000人から急激に増加して2020年には中国を抜いてトップになっている(図表4)。
■建設業で働く外国人労働者数は2020年に11.1万人、コロナ禍でも大幅増
建設業で働く外国人労働者数の推移は、2008年の8000人から2020年には11万1000人に増加している(図表5)。とくに、2013年以降は大幅な増加が続いた。2020年については前年比119.0%の伸びで、2019年の同135.9%よりも増加率は低下したが、コロナ禍でも依然として増加傾向は継続している。労働力調査によると、2020年の建設業の就業者数は492万人とあるので、外国人労働者が占める割合は2.3%になる。
■技術・人文知識・国際業務の在留資格で働く外国人労働者数は9000人
建設業で働く外国人労働者数の推移を在留資格別に見ると、技術・人文知識・国際業務の在留資格で働く外国人労働者数は、2015年の1958人から2020年には9277人に増加している(図表6)。2020年の増加率は前年比131.5%と2019年の同142.7%よりは低下したが依然として大幅な増加となっている。設計士や施工管理技士といった高度な技術をもって働く外国人はこの在留資格に含まれるため、日本で働く外国人建設技術者は増加していると推測される。
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