「建設技術者への求人意欲は下落、技能工は回復基調に」ヒューマンタッチ総研: 産業動向(1/2 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2021年2月分のマンスリーレポートを公表した。今月のトピックスでは、2020年の建設技術者及び建設技能工の需給動向についてレポートしている。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2021年2月18日、国内における建設業の人材市場動向をまとめたマンスリーレポート「ヒューマンタッチ総研〜Monthly Report 2021年2月」をリリースした。
今月のトピックスとしては、2020年の建設技術者及び建設技能工の需給動向についてまとめている。
■建設技術者への求人意欲は落ち込みが続くも、建設技能工については回復傾向
建設技術者と建設技能工における有効求人数の対前年同月増減率の推移をみると、ともに年初から前年同月割れが続き減少傾向で推移した(図表1)。とくに建設技術者は、最初の緊急事態宣言が発出された4〜5月にかけては大幅に減少し、5月には前年同月よりも11.9%も求人数が落ち込み、その後も12月まで前年同月割れが続いている。
一方、建設技能工は、徐々に有効求人数が増加し、9月以降は前年同月を上回るようになり、12月には前年同月よりも求人数は4.7%増加し、建設技能工への求人意欲は回復傾向となっていることが分かる。
■建設技術者、建設技能工ともに求職者数は増加傾向
有効求職者数の推移をみると、6月以降は建設技術者、建設技能工ともに前年同月を上回っている(図表2)。求職者数が増加に転じた背景には、新型コロナウイルス感染症拡大で、雇用の不安定さが増した影響や建設業の給与が上昇していることで労働環境イメージも向上してきたことがあると推測している。
■有効求人倍率は高水準が続く
有効求人倍率の推移では、建設技術者、建設技能工ともに3月以降は前年同月を下回っているが、5倍以上の高水準で推移しており、人手不足の状況は継続している(図表3)。なかでも、建設技能工は、前年同月差が小さく、厳しい人手不足の状況が続いている。
建設業就業者数は497万人で増加、新規求人数は7万5888人で減少
2020年12月の建設業就業者数は497万人(前年同月比101.8%)、雇用者数は413万人(同102.5%)で、ともに増加した。
一方、公共職業安定所(ハローワーク)における新規求人数は7万2054人(同107.4%)と増加に転じた。
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