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プラント設計を効率化する点群と3DCADの融合、VR機能で合意形成やプレゼンもAutodesk University 2020(2/3 ページ)

高精度の3Dレーザースキャナーが建築の現場を大きく変えつつある。レーザースキャンによって得られる点群データは、現場の状況を忠実に表す。点群データがあれば、現場全体を3Dモデル化することもでき、仕様や設計の変更などに際してもスピーディな対応が可能となる。しかし、そのためには少なからぬコストと労力が必要になる。ジェイコフでは、現場でスキャンした点群データと3DCADによる3Dモデルを融合させ、事前の打ち合わせやプレゼンテーションなどの効率化を実現している。

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新設設備のみを3次元化し、既設物は点群データを活用

 3Dレーザースキャナーで取得した点群データをそのまま3Dモデル化すると、現場のあらゆる情報をデジタル化できる。しかし、これには少なからぬ時間や手間、コストが必要となる。この課題に対し、ジェイコフでは3次元モデル化の対象を新設物のみに限定し、既設物の点群データと組み合わせる手法を採用している。

 例えば、架台の撤去・更新では、現場の状態を3Dレーザースキャナーでスキャニングした後、点群から撤去となる架台部分を削除する。そして、その部分に新しく設置する架台の3Dモデルを合成する。こうすることで、点群データをモデル化することなく、既設架台の取り合いや既設設備との干渉などを確認できる。

 この手法は、既設設備までモデル化するのに比べ、点群データによって現実に近いイメージを想像しやすい。砂村氏は、「プラントエンジニアリング会社やエンドユーザーとの確認や協議でも、分かりやすく合意形成が図りやすいと好評」と話す。

 また、設計作業でも実際の施設を計測した点群データを使用するこの手法は、施設図面と手測りの現地調査に比べてより正確な設計が実現する。さらに、事前に不具合箇所を発見できることで、設計・施工の手戻りも少なくなる。結果的に、工期の短縮や工事費用の削減にもつながる。


現場をスキャンした点群データを活用し、必要な箇所だけを3Dモデルと合成。点群データによるリアルなイメージが、スピーディな理解につながる

 点群データと3Dモデルの組み合わせは、機器の設置や搬入時の干渉チェックにも活用できる。点群編集用ソフトInfiPointsには、点群データと3Dモデルが干渉した際に、その部分を赤く表示する機能が搭載されている。干渉場所と緩衝寸法を記録することも可能なため、機器の設置や搬入前のシミュレーションが行える。


点群データによる現場内で3Dモデルを動かす。既設物と接触するとモデルが半透明になり、接触する部分が赤く表示される

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