安全で快適な“人起点”の働きやすさを追求したパナソニックの“ライブオフィス”、技術の粋を汐留で体感:オフィスの最新コロナ対策が結集(2/3 ページ)
パナソニック ライフソリューションズ社(LS社)が2020年に開設したライブオフィス「worXlab(ワークスラボ)」では、従来の建物起点ではなく、人起点の考えに基づくオフィス空間のソリューションを多角的に展開している。そのなかには、会議中のコロナ対策として、ダウンフロー気流でエアロゾルの滞留を抑制する最先端技術が体感できるなど、現在のオフィス空間に欠かせない、さまざまなアイデアが盛り込まれている。
清潔な空気でスペースを包み込む「エアリーゾーニング」
少し足を進めると、ダウンフロー気流でエアロゾルの滞留を抑制する、注目の「エアリーゾーニング」が展示されている。天井のルーバーから清浄化された空気を吹き出し、床方向へ面で均一に気流を送ることにより、空気中に浮遊するウイルスそのものや人の飛沫などのエアロゾルに触れることを抑制する。この空気の清浄化には、0.3マイクロメートルの微粒子を99.97%以上集塵(しゅうじん)する「HEPAフィルター」でエアロゾルを捕集している。これにより、ミーティングスペースで会話する際の感染リスクを大きく低減。従来と同じ座席の間隔でも、安心して会議を行えるというから驚きだ。
空間ソリューション事業推進室 マーケティング推進部 主幹の神谷学氏は「これからのミーティングは、リアルで会う機会が少なくなることから、より時間を大切に効率的に進めていく必要がある」と述べる。例えば、アイデア出しのカジュアルな会議であれば、光は電球色、天井のスピーカーからはジャズを流すことで、リラックスできる空間を生み出し、会話を誘導するような演出も可能。「会議における感染対策はもちろん、その質や効率をさらに高めるソリューションの提供に努めている」と強調する。
通路の途中には、3密を避けるため、床面にプロジェクションマッピングで一方通行を促すなどの動線誘導が図られている以外にも、デジタルサイネージによって人密度をはじめとする室内の環境情報を見える化している。このサイネージでは、将来的に従業員の履歴を蓄積することで、その人が快適と感じる温度・湿度・騒音のワークスペースを推奨するような機能の実装も視野に入れる。
奥に歩を進めると、フリーアドレスを採用した執務スペースの有効な活用法として、テーブルなどの什器はそのままに、音と光だけでゾーニングを変更する「フレキシブルゾーニング」による多様な環境演出が見学できる。「コロナ禍でワークプレースが多様化しているだけでなく、兼ねてより一辺倒の執務スペースでは有効活用しきれていないという課題があった」と神谷氏。
昼白色や電球色のベースライト、スポットライトによる光と、指向性スピーカーから流れるジャズや小鳥のさえずりといった自然音楽を組み合わせるだけで、リフレッシュ・集中・リラックスの3つに分かれたゾーニングを自在とする。「デスクなどは一度設置してしまうと移動するのが手間になる。そういった物理的なものに捉われないゾーニングを達成すれば、そのシチュエーションに合わせて柔軟にスペースを有効活用できる」(神谷氏)。
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