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「学校基本調査」に見る新卒者の建設技術者への就職動向:建設業の人材動向レポート(29)(1/2 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向について、さまざまな観点で毎月レポートしている。今回は、文科省の「学校基本調査」をベースに、建設業界に入職する学生数についての人材動向をレポートでまとめている。
今回は、文部科学省の「学校基本調査」から大学などの新規学卒者で、建設技術者として就職する学生数の動向についてのデータを紹介する。
■2020年建設技術者として就職する学生数は「減少」に転じる
新卒で建設技術者として就職する学生数(大学、大学院、高等専門学校、専修学校の合計)の推移をみると、2016年の1万9099人から3年連続で増加して2019年には2万1846人となったが、2020年には減少に転じて2万1290人となった(図表1)。
拡大する建設市場を背景に厳しい人手不足の状況にあった建設業各社は、積極的に新卒者を建設技術者として採用してきたが、東京オリンピックなどの特需も終わり、建設市場が踊り場に差し掛かった2020年には、やや新卒への需要が落ちてきたようである。
また、就職する学生における女性の比率(女性比率)をみると、2016年の19.2%から上昇傾向が続き2020年には22.9%となっており、若手の建設技術者を確保するためには、女性が重要なターゲットになってきていることが分かる。
■大学・大学院新卒で建設技術者として就職する学生数は2020年に減少に転じる
内訳をみると、大学・大学院の新卒者で建設技術者として就職する学生数は、2016年の1万4838人から3年連続で増加して2019年には1万6496人となったが、2020年には減少に転じて1万5934人となっている(図表2)。女性比率は2016年の19.4%から上昇傾向が続き、2020年には23.0%まで上昇した。
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