三井不動産がベンチャー向けオフィスビルを開業、吹き抜け構造で開放感を演出:プロジェクト(1/2 ページ)
三井不動産が、柏の葉におけるスマートシティー構築の一環として、開発を進めていたオフィスビル「KOIL TERRACE」が2020年10月末に竣工した。KOIL TERRACEは、ベンチャー企業が拠点として活用できるオフィスビルを目指して開発したもので、施設のコンセプトに「SMART&Well-being」を掲げ、建物の1〜5階を吹き抜け構造にし開放感を演出するなどして、快適に働ける環境を構築した。
三井不動産は、千葉県の柏市で開発を進めていたオフィスビル「KOIL TERRACE」を2021年1月4日にオープンする。開業に先立ち、2020年12月16日に内覧会を開催し、建物の共有部と専有部の一部を披露した。
会場では、三井不動産 柏の葉街づくり推進部 事業グループ 主事 小林悟氏が、柏市で進める街づくりプロジェクトやKOIL TERRACEのコンセプトを紹介した。
共用部に会議室やコワーキングスペースを設置
KOIL TERRACEは、S造地上6階/塔屋1階建てで、最高高さは31.23メートルで、延べ床面積は1万1714.64平方メートル。所在地は千葉県柏市若柴226番地44中央141街区1で、敷地面積は4124.74平方メートル。駐車場は、平面式が1台、荷捌(さば)きが1台の計2台で、駐輪場は42台分のスペースを用意している。
アクセスはつくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅から徒歩4分の立地。設計・監理は鴻池組の東京本店一級建築士事務所が担当し、施工は鴻池組の東京本店が担った。外装デザインはIAO竹田設計が監修し、内装デザインはドラフトが監修した。
小林氏は、「現在、三井不動産では、“世界の未来像”をつくる街をテーマに、千葉県や柏市、東京大学、千葉大学、企業、住民といった公民学との連携で、世界が直面する課題を解消するモデル都市として、柏の葉におけるスマートシティー構築に取り組んでいる。柏の葉におけるスマートシティー構築は、国土交通省が推進するSociety5.0の実現に向けたスマートシティーモデル事業の先行モデルプロジェクトに2019年5月に採択されている」と柏の葉で進める街づくりに触れた。
続けて、「柏の葉における街づくりの一環として、三井不動産は2014年4月に、ベンチャー企業がワークスペースとして使える“KOIL 柏の葉オープンイノベーションラボ”を開業した。KOIL 柏の葉オープンイノベーションラボは、コワーキングスペース“KOILパーク”や3Dプリンタなどの製造設備を完備した“KOILファクトリー”を備えている他、会社の悩みを相談できるメンターが常駐し、法人化の支援を行うサービスも提供している。KOIL 柏の葉オープンイノベーションラボで成長し、規模が拡大したベンチャー企業が拠点として活用可能なオフィスとしてKOIL TERRACEを開発した」とKOIL TERRACEの開発経緯を説明した。
KOIL TERRACEのコンセプトは「SMART&Well-being」で、建物の1〜5階を吹き抜け構造にするなどして、開放感を感じられ、快適に働けるオフィスを構築した。会議室やコワーキングスペース、ラウンジなどは、共用部として設けた。共用部は、利用時間に応じて利用料が発生する課金制を採用しており、専有部に会議室があるケースと比較して固定費を減らせる。
1階には、10室の会議室、倉庫、イベントスペースを兼ねたアクアリウム、3つの店舗スペースを備えている。アクアリウムは入居者だけでなく、周辺住民も利用可能で、1時間あたり4万円で貸し切ることもできる。設置された本棚には、TSUTAYAが運営する「柏の葉 T-SITE」が選定した4000冊の本が陳列されており、アクアリウムのユーザーが読める。また、3つある店舗スペースのうち、1つにフィットネス施設「R-BODY CONDITIONING ACACADEMY」が入居を予定している。
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