建設業者が最も望むのは進捗確認のIT化、コロナ禍で建設業に生じた変化を調査:調査レポート(2/2 ページ)
JAGフィールドは、建設業界で3年以上働いている1056人を対象に、新型コロナウイルスの影響により建設業界で生じた変化をリサーチした。結果、工事の中止と工期の延期が増加するとともに、受注数の減少や人手不足が加速して、生産性向上のためにITツールの導入を望む企業が増えていることが明らかになった。
全体の48.2%がIT化をスタート
「コロナ禍による不景気を建設業界としてどう思うか」という質問では、全体の46.1%が「しばらく時間がかかると思う」と回答し、続いて「やや回復すると思う」が21%で、「一時的なものだと思う」が20.2%、「回復すると思う」が12.7%となった。
回復すると思う理由に関しては、「一時的に後退しても必要な職業だと思うので(30代/男性/広島県)」「作業行程が長期のため、リカバリーしやすい(40代/男性/長崎県)」「エンドユーザーがやめない限り工事はあるから(50代/男性/埼玉県)」といった意見が集まった。
しばらくは回復しないと思う理由については、「まだまだ終息に向かっていないから(30代/男性/高知県)」「全体の景気が戻らなければ難しい…(30代/男性/埼玉県)」「経済活動が自粛により停滞し、収入減を引き起こし新規案件が激減してるから(40代/男性/神奈川県)」といったコメントが届けられた。
「新型コロナウイルスの影響を受けて会社はIT化を進めているか」という質問では、全体の48.2%が「はい」と答えた。また、「今後どのようなIT化を望んでいるか」を複数回答可能で質問したところ、最も多かったのは全体の35.7%が回答した「作業の進捗状況確認」で、次いで「健康状態の管理」が29.5%で、「ドローン測量」が23.0%、「無人化施工」が21.7%、「ロボット技術」が19.5%、「BIM」が18.4%、「3Dプリンタの導入」が14.2%と続いた。
今回の調査では、新型コロナウイルスの感染拡大で、工事や打ち合わせ、会議の中止と延期が起きたことが、受注数の減少や人手不足につながっているってることが明らかになった。また、建設業界では、進捗状況の確認や健康状態の管理、ドローン測量、無人化施工といったITツールの導入が望まれているが判明した。
<調査の概要>
調査時期:2020年7月10日
調査対象:建設業界で3年以上働いている方
調査手法:インターネットによるアンケート調査
アンケート回収数:1056人
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