三井不動産と東大が産学協創協定を締結、afterコロナを見据えた街づくりを研究:産業動向
三井不動産と東京大学は、新型コロナウイルス感染症の拡大により浸透したテレワークなどの新しい生活様式や進行する少子高齢化、多様な業界で推進されているデジタルトランスフォーメーションの影響で変わる都市のニーズを踏まえた街づくりを実現するために、産学協創協定を締結した。
三井不動産と東京大学は、都市・街づくり分野の産学協創協定を締結し、研究プロジェクト「三井不動産東大ラボ」を開始したことを2020年7月27日に発表した。
文理融合型共同研究を採用
現在、都市には、少子高齢化と外国人労働者増加といった人口構造の変化やシェアリングエコノミー、ダイバーシティー、インクルージョンをはじめとした価値観の多様化、自動運転と5Gなどのテクノロジー活用によるパラダイムシフトが迫っている。また、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、テレワークなどの新しい生活様式が急速に浸透したことに伴い、多様な分野で業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいる。
そこで、三井不動産と東京大学は、変化しつつある都市のニーズを踏まえた街づくりを実現するために、産学協創協定を締結し、「三井不動産東大ラボ」を立ち上げた。三井不動産東大ラボでは、東京大学の知見と三井不動産が創出してきた施設などの場を活用した実践的研究を通じて、東京を代表とする都市の将来像と解決すべき課題を明らかにする。さらに、afterコロナの社会も見据えた多角的なアプローチで、都市の新たな価値創造を導き出す方法論を探る。
三井不動産は、2020年4月に教育・研究機関との連携と共同研究推進体制の強化を目的に「産学連携推進部」を新設しており、東京大学との共同研究では、産学連携推進部を中心に、三井不動産のシンクタンクであるS&E研究所や各商品本部、さまざまな事業の従事者が参画することで、これまでの街づくりにおける見識を集積し、現在直面している課題を抽出して、三井不動産東大ラボで研究していく。
また、東京大学からは文系と理系の多様な研究者が参加し、三井不動産の街づくりフィールドを対象に、文理融合型の共同研究を行い、その成果を社会に還元することを目指す。
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