バイオマスの町「鹿追町」と鹿島が、エネ地産地消などスマートソサエティー構想:スマートシティー
鹿島建設は、北海道河東郡鹿追町と、バイオガスを活用したエネルギーの地産地消を軸に、地域活性化や住民サービスの向上などにつながる5つの施策に取り組むため、連携協定を交わした。
鹿島建設は2020年10月30日、酪農と畑作が主な産業でバイオマスの町として注目されている北海道河東郡鹿追町で、地域スマートソサエティー構想に着手したことを公表した。地域スマートソサエティー構想は鹿追町と連携して進める取り組みで、同年10月1日には連携協定書の調印式をリモートで開催し、鹿追町の喜井知己町長と鹿島建設の押味至一社長がそれぞれ、鹿追町役場と鹿島建設の本社で協定を締結した。
鹿島と地方自治体とのスマートシティー連携は初
構想では、家畜糞尿(ふんにょう)のバイオマス資源から生産するバイオガスによるエネルギー活用を起点に、1.地域エネルギー会社や自営線ネットワークなどを利用した地域エネルギーの有効活用、2.エネルギー・IoTを活用した公共施設経営、3.地域の防災・減災やBCP対策、4.公共交通や町民コミュニケーションの向上を図る地域のスマート化、5.地域産業振興――の5つを検討テーマとして設定し、公民連携で地域の活性化や住民サービスの向上を目指す。
鹿島建設では、異常気象が常態化する中、災害に強いまちづくりを核に、その地域に適したエネルギー、IoT、社会インフラ、産業振興など、多様な要素を取り込んだ地域スマートソサエティー構想を策定し、実現に向け取り組むことは、同社のマテリアリティーに合致し、“SDGs”にも貢献すると見ている。
また、鹿島建設は都心部では羽田イノベーションシティーなどのスマートシティー形成に向けたさまざまな施策を行っているが、地方自治体と連携した取り組みは今回が初の試みだという。
鹿島建設は今後、自社の保有技術を活用した地域スマートソサエティーに新たに取り組み、さらなる知見を蓄積し、SDGsへの貢献をはじめ、社会課題の解決を図っていく方針を示している。
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