連載
建設業“2020年上半期の市場動向”を分析する、ヒューマン総研:建設業の人材動向レポート(25)(1/2 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向について、さまざまな観点で毎月レポートしている。今回は、2020年上半期の建設業における市場動向を分析するとともに、将来予測を行った。
東京オリンピック・パラリンピック関連の特需もピークアウト、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もある中、建設業における現状の市場動向はどのようになっているのだろうか?また、今後の見通しはどうだろうか?今回は、建設業関連の政府統計データを用いて、2020年上半期の建設業における市場動向を分析するとともに、将来予測についても考察する。
■民間工事の出来高は低迷するも公共工事は好調、全体では大きな落ち込みはない
2020年上半期の建設業の売上高を出来高ベースでみると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が表面化してきた2020年4月以降は出来高が前年同月を下回るようになった(図表1)。対前年同月増減率では、4月が0.2%減、5月が同2.1%減、6月が同2.9%減となり、徐々に減少率が高まっていることが気に掛かるが、現状ではそれほど大きな落ち込みには至っていない。
次に、民間工事・公共工事別に出来高の推移をみると、民間工事の出来高は2020年に入ってから全ての月で前年同月を下回っているが、公共工事については全ての月で前年同月を上回っており、好調に推移している(図表2)。
■手持ち工事高は高水準で推移
売上高の先行指標となる手持ち工事高(受注した工事金額のうち、その時点で工事が終わっていない金額)の推移では、2020年6月で31兆5076億円、対前年同月増減率2.2%増と高水準を保っており、今後についても短期的にはそれほど大きく建設業の業況が落ち込むことはないと思われる(図表3)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.