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ゼネコンは“鹿島のみ”が増収増益、第1四半期決算から見る建設市況業界動向(2/3 ページ)

ヒューマンタッチ総研は、2021年3月期第1四半期決算のまとめと今後の市場予測を公表した。レポートでは、総合工事業と管工事業で厳しい決算となった一方、土木工事業は比較的好調な決算となったとしている。

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電気設備は6社が減収、うち5社が減収減益ながら、10社計でわずかに増収

 電気設備業の売上高は、6社が前年同期を割り込み、5社が減収・純減益(図表5)。10社合計を見ると、売上高は前年同期比0.2%増、営業利益は同2.3%減、経常利益は同2.3%増、純利益は同7.6%減となった。

 今期の業績予想は、純利益ベースで6社が減収減益、2社が増収増益、2社が未定となっている(図表6)。売上高の減少率が2桁のマイナスになったのは1社だけだが、純利益の減少率はそれ以上に大きく、経営環境は苦境にあることが分かる。


【図表5 電気設備工事業主要10社の2021年3月期第1四半期決算(連結)の実績】 出典:各社の2021年3月期第1四半期決算短信よりヒューマンタッチ総研が作成

【図表6 電気設備工事業主要10社の2021年3月期(連結)の業績予想】 出典:各社の2021年3月期第1四半期決算短信よりヒューマンタッチ総研が作成

管工事は7社が減収、6社が減収減益、10社合計でも大幅な減収減益

 管工事業の売上高は、7社が前年同期を下回り、このうち6社が減収・純減益(図表7)。10社合計を見ると、売上高は前年同期比13.4%減、営業利益は同54.9%減、経常利益は同47.3%減、純利益は同33.7%減となっており、高水準であった前年同期の業績との比較では、非常に厳しい結果となった。

 今期の業績についても、予想を出している9社が全て減収・純減益で、総合工事業と同じく困難な経営環境を迎える見通し(図表8)。


【図表7 管工事業主要10社の2021年3月期第1四半期決算(連結)の実績】 出典:各社の2021年3月期第1四半期決算短信よりヒューマンタッチ総研が作成

【図表8 管工事業主要10社の2021年3月期(連結)の業績予想】 出典:各社の2021年3月期第1四半期決算短信よりヒューマンタッチ総研が作成

住宅・不動産業は6社が減収、4社が減収減益、10社合計でも減収減益

 住宅・不動産業の売上高は6社が前年同期を下回り、このうち4社が減収・純減益となっている(図表9)。10社合計の売上高は前年同期比5.22%減、営業利益は同12.1%減、経常利益は同14.0%減、純利益は同18.3%減だった。

 2021年3月期の業績予想を発表した6社は、全て減収・純減益の予想になっている(図表10)。とくに純利益については減少率が大きく、利益面ではより厳しい経営環境になる見込み。


【図表9 住宅・不動産業主要10社の2021年3月期第1四半期決算(連結)の実績】 出典:各社の2021年3月期第1四半期決算短信よりヒューマンタッチ総研が作成

【図表10 住宅・不動産業主要10社の2021年3月期(連結)の業績予想】 出典:各社の2021年3月期第1四半期決算短信よりヒューマンタッチ総研が作成

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