コロナと熱中症の対策で、三井住友建設が「フェイスカバリング」の作成方法を情報提供:withコロナ
三井住友建設は、飛沫の飛散を防ぎ、夏場の快適性も考慮した「フェイスカバリング」の作成手順を一般公開した。フェイスカバリングは、新型コロナ感染症と熱中症の対策として、独自に有効性を検証しており、コロナ禍と酷暑に苛まれる一般社会の一助となることを目的に広く情報提供する。
三井住友建設はこのほど、熱中症リスクを低減しつつ、飛沫の飛散を抑制する「フェイスカバリング」を同社の公式Webサイトで公開した。
昨今のコロナ禍にあって三井住友建設では、業務中に飛沫抑制に優れた不織布マスクの着用を義務付けているが、一方で夏季の屋外作業でのマスク着用は、熱中症の発生リスクにつながる懸念がある。そこで、身近な材料を用いたフェイスカバリングを形状、素材、寸法、装着感(肌ざわりや涼冷感)などの観点から検討した。
同時に、新日本空調の協力のもと、微粒子可視化システム(ViEST)で飛沫の飛散状況を可視化する実験を延べ3日間、約70ケースで検証した。
現在、検討結果を踏まえて採用したフェイスカバリングは、現場に従事する同社社員及びグループ会社社員、協力会社作業員の計約2万人へ配布している。
現場での使用で作業員に好評だったため、この度、一般企業や個人が自由にフェイスカバリングを作れるように、型紙と作り方をWeb上で一般公開した。三井住友建設のフェイスカバリングは、ヘルメットのあご紐(ひも)に固定するタイプと、ストッパーで頭の後ろに固定するタイプ、マスクのように耳に掛けるタイプの3種類。
作成手順は、印刷した原寸大の型紙に合わせて生地を裁断。生地の上端部を15〜20ミリほど内側に折り、顔の中心部に当てて、生地の端をクリップで留める。なお、30×17.3センチの型紙は、WebサイトでPDFデータが公開されている(詳細は本記事下の関連リンク)。
三井住友建設では、「建設業界のみならず、屋外の暑熱環境下で従事される方や散歩、ジョギングをされる方など、広く使用していただき、飛沫抑制と熱中症の発生リスク低減の両立に寄与したい」としている。
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