大林組が塗り床材の剥離リスクを抑える新工法を開発、色むらや変色も抑制:新工法(1/2 ページ)
大林組は、耐摩耗性や耐衝撃性に優れた高浸透性のエポキシ樹脂系塗り床材を使用した塗り床工法「アンカープロテクション」を開発した。今後は、物流施設や生産施設などの床仕上げで、積極的に提案していく。
大林組は、アルファ工業と共同で、コンクリートに浸透することで、塗り床材の剥離リスクを低減する浸透一体型塗り床工法「アンカープロテクション」を開発した。
接着強度はエポキシ樹脂系塗り床材と比較して3倍
物流施設や生産施設で、床面に着色仕上げを施す場合、一般にセメント一体型の塗り床材やエポキシ樹脂系塗り床材が採用されている。しかし、セメント一体型塗り床材では、粉体の散布量や金ごて押さえのタイミングなどといった施工が難しく、色むらや変色が発生することがあった。
エポキシ樹脂系塗り床材は、下地コンクリートの硬化後に施工するため、色むらや変色は生じないが、重量物の落下やフォークリフトの走行といった外力が繰り返し加わることで、コンクリートと塗り床仕上げ層との界面で剥離が発生するリスクが存在した。さらに、剥がれた部分を起点に、剥離が一気に進むため、補修する際には、施設の動線を変更しなければならなかった。
今回開発したアンカープロテクションは、高浸透性のエポキシ樹脂系塗り床材を使うことで、塗り床材の剥離を抑えている。塗り床材が、硬化したコンクリート表層に染み込むことでコンクリートと一体化するため、コンクリートと塗り床仕上げ層との間に、界面ができず、塗り床材が剥離しにくい。
また、コンクリート表面に形成された塗り床仕上げ層は、色むらや変色を心配することなく着色可能。剥離への接着強度は、一般的なエポキシ樹脂系塗り床材と比較して3倍あることが実験で証明されている。
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