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BIMに効くワークステーションと外部センサー不要のHMDを開発VR(1/2 ページ)

日本HPは、BIMやCADのデータ作成をスピーディーに進められるモバイルワークステーション「HP ZBook G7」シリーズと、外部センサー無しで6DoFを実現するヘッドマウントディスプレイ「HP Reverb G2 VR Headset」を開発した。

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 日本HPは2020年6月29日、オンラインで新製品発表会を開催し、モバイルワークステーション「HP ZBook G7」シリーズとヘッドマウントディスプレイ(HMD)「HP Reverb G2 VR Headset」を発売することを公表した。

ファンの稼働は状況に合わせZ Predictive Fanアルゴリズムで自動制御

 HP ZBook G7シリーズは、コア数やスレッド数が従来品と比較して増加した「インテル Core i7 10750H」もしくは「インテル Core i7 10850H」を内蔵しており、映像や画像、図の作成で高いパフォーマンスを発揮する。


HP ZBook G7シリーズの特徴

 セキュリティ面では、PCのBIOSへの攻撃や破損を自動的に検出し、停止やリカバリーを進めるシステム「HP Sure Start Gen 6」が組み込まれているため、ファームウェアやマルウェアの侵入を防げる。

 筐体は、カバーもキーボードデッキもアルミの塊を削り出して、作られている上、素材にCNCアルミを採用することで、高い強度と軽量化を両立し、塗装カーボンファイバーと比較して5倍の耐摩耗性を有す。

 耐久性に関しては、米国防総省が制定したMIL規格(United States Military Standard)「MIL-STD-810G」に準拠したテストをクリアしており、過酷な環境下でも、長期間使い続けられることを証明している。サイズは、狭額縁ベゼルの採用により、15.6インチモバイルワークステーションで最小クラスを実現し、重さは1.9キロ。バッテリーは最長17.5時間の駆動に応じる。

 PC内の冷却機構は、新開発のカスタムベイパーチャンバーや耐熱性に優れ剛性の高い液晶ポリマーブレードファン、3方向への排熱メカニズムが組み合わされており、GPUとCPUから発生する熱をチャンバー全体に分散させ、冷やす。また、ユーザーはPCに搭載されたシステム「Z Power Slider」で静音性をコントロールできる他、BIOSに内蔵された「Z Predictive Fanアルゴリズム」や「Zグラフィック認識アルゴリズム」で、冷却能力やGPUの負荷などが状況に合わせて、自動で調整される。


HP ZBook G7シリーズの空調機構

日本HP ワークステーション本部 本部長 大橋秀樹氏

 発表会で、日本HP ワークステーション本部 本部長 大橋秀樹氏は、「Z Power Sliderは、利用者がPCの性能と静音性のどちらを重視するか調節可能だ。Z Predictive Fanアルゴリズムは、GPUやCPUへの負荷をリアルタイムに検知し、温度を予測して、ファンの回転を少しづつ上げて冷却することで、ファンの急激な作動を抑える。Zグラフィック認識アルゴリズムは、バッテリー稼働時にGPUの負荷を感知して、電源の供給量を調整する」と説明した。

 同シリーズは、「HP ZBook Studio G7」と「HP ZBook Create G7」の2機種をラインアップしている。HP ZBook Studio G7は、優れた画像処理能力を備えたグラフィックスカード「NVIDIA QuadroR RTX4000」をオプションとして搭載可能なため、BIMとCADのデータ作成や3Dモデルの操作、VRの構築に適している。HP ZBook Create G7は、グラフィックスカード「NVIDIA GeForce RTX 2070 Super」を装着しており、「高精細 4K OLEDディスプレイ」を画面に選べ、4K/8Kの動画編集やVRのコンテンツ制作、3DCG、VR体験など幅広く使える。

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