建設技術者の雇用情勢はさらに厳しい状況に、ヒューマンタッチ総研:産業動向(1/2 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2020年6月分のマンスリーレポートを公表した。今回のトピックスでは、建設業に特化した人材関連のさまざまなデータや最新の雇用関連データを紹介している。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた「ヒューマンタッチ総研〜Monthly Report 2020年6月」のマンスリーレポートをリリースした。
今回は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、建設業の雇用情勢がどのように変化したかを分析している。
■急速に悪化する建設技術者の雇用情勢
2020年に入ってから悪化傾向が続いていた建設技術者の雇用情勢が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、さらに厳しい状況になっている。
ハローワークにおける建設技術者(建築・土木・測量技術者)を対象にした有効求人数の推移を見ると、2020年1月に前年同月比98.2%と、48カ月ぶりに前年割れとなり、その後は同年2月が同95.2%、3月が同91.6%と減少傾向が続き、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、4月には同89.5%にまで落ち込んだ(図表1)。
東京オリンピック関連の特需も終わりを迎えることから、建設技術者への求人ニーズはやや低下傾向にあったが、そこに新型コロナウイルス感染症拡大が拍車(はくしゃ)をかけている様相をみせている。
特に東京における求人数の減少が著しい
東京都、愛知県、大阪府の3大都市で、2020年4月と前年2019年4月の有効求人数を比較すると、東京都が前年よりも25%減少、愛知県が8%減少、大阪府が12%減少となっており、東京都での減少率の高さが際立っている(図表2)。
建設技術者の有効求人倍率(全国平均)は、4月においても5.49倍(前年同月比▲0.42ポイント)と、専門的・技術的職業の中では最も高くなっているが、今後の新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、雇用情勢がより悪化することも考えられる。
建設業の就業者数は491万人、雇用者数は401万人でともに減少
雇用関連の月次データでは、2020年4月の建設業就業者数は、491万人(前年同月比97.6%)、雇用者数は401万人(同96.2%)となりともに減少した。一方、公共職業安定所(ハローワーク)の新規求人数は、6万3707人(同84.9%)と、4カ月連続で前年同月を下回った。
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