新型コロナで採用活動に遅延や中止の影響、オンライン面接も進む:業界動向
ヒューマンタッチ総研は、新型コロナウイルス感染症の拡大が採用活動へ与えた影響及び感染拡大の防止策としてのテレワーク導入状況についてアンケート調査を行った。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2020年6月9日、ヒューマンタッチの取引企業を対象に2020年4月に実施した「新型コロナウイルス感染症拡大における採用活動への影響調査」から、企業の採用活動状況と職場におけるテレワークの導入状況についてのレポートを公表した。
■採用活動に変化、「遅滞している」28.9%、「一時的に中止している」18.5%
まず「新型コロナウイルス感染拡大の影響により、貴社の採用活動に変化はありましたか?」という質問に対しては、「遅滞している」と回答した企業の比率は28.9%、「一時中止している」は18.5%となり、建設業においても半数近くの企業の採用活動に、一時的な中止や遅滞というマイナスの影響を受けていることが分かった(図表1)。
また、「その他」の自由回答欄に記載された内容を見ると、「特定部門のみWeb面接システムを導入」「電話/Skype/ビデオ通話による面談で実施」といった意見があり、対面での面接が困難な状況の中で、リモート面接の導入が進んできていることが判明した。
8割以上の企業でテレワークを導入
また、「新型コロナウイルス対策としてテレワークを導入していますか?」という問いには、「既に導入している」と回答した企業の比率は40.7%、「一部部署にて導入している」が42.2%。両者を合わせると82.9%の企業で、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、テレワークを導入していることが見て取れる。
ヒューマンタッチ総研所長・高本和幸氏は、今回のアンケート調査について、「コロナウイルス感染症拡大の影響で、建設業各社の採用活動に遅れが出ていることと同時に、リモート面接などを活用して新たな採用スタイルを作ろうとしている企業の姿が見えてきた。テレワークについても、総務省の2018年通信利用動向調査では、建設業における導入率が18.8%であったことを考えると、新型コロナウイルス拡大防止対策を機に、一気に導入が進んでいることが判明した。今後、さらなるキャリアアップを目指す建設技術者にとって、Web面談でのコミュニケーション能力やテレワークを活用して、業務の生産性を向上させる能力が重要になってくるのではないかと思われる」とコメントする。
<調査の概要>
調査時期:2020年4月19〜30日
調査対象:ヒューマンタッチの取引先企業
調査手法:インターネットによるアンケート調査
アンケート回収数:135社
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