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限られたデータから正確な水位予測、数理工学をベースにした水害対策ソリューション第24回「震災対策技術展」横浜(2/2 ページ)

構造計画研究所は、以前から構造物のシミュレーションを得意としている。ここ数年は、このシミュレーション技術を災害対策に応用している他、非常時に通信環境が切断された状態でも、情報の配信や収集を可能とする通信連携の開発も進めている。

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携帯電話のBluetooth通信を数珠つなぎ形式で情報を伝達

 また、台風や大規模地震などの災害発生時は、電話やインターネットが遮断されることが少なくない。電柱が倒れたり飛来物が当たったりして、通信回線が切れるためだ。被害によっては、中継基地への電力がストップすることもある。

 構造計画研究所では、このような状況下でSOSをはじめ、重要な連絡を可能にするソリューションも提供している。「スマホdeリレー」と名付けられたサービスで、通信インフラの不具合によって“圏外”になっているスマートフォン同士を連携させ、情報を伝達する仕組みだ。


スマホdeリレーの仕組み

 スマホdeリレーは、スマートフォンのBluetooth機能を使って情報をつなぐ。電話やインターネットが圏外にあっても、そのゾーンを少しでも出れば通信が可能になる。そこで、いくつものスマートフォンを用いて、圏外ゾーンの外に出るまで、ちょうどバケツリレーのように情報を伝えていく。


スマホを何台も経由して通信環境を整備するスマホdeリレー

 一般的にスマートフォンのBluetooth通信は、100メートルの範囲内でしか使えない。このため、圏外となっているスマートフォンが圏内ゾーンのスマートフォンに到達するには、何台ものスマートフォンを経由することになる。

 現在、構造計画研究所では、圏内にあるスマートフォンへ向けた情報リレーの他に、準天頂衛星「みちびき」が提供する衛星安否確認サービス(Q-ANPI)と連携した情報伝達手段の開発に着手している。スマホdeリレーで集めた安否情報を、避難所などに設置されるQ-ANPI端末に中継することで、衛星を介したスマートフォンによる安否確認が実現する。

 西條氏は、「スマホdeリレーは新規事業としてもさることながら、社会貢献の意義も大きい」と話す。スマホdeリレーの利用には、ユーザーが自分のスマートフォンにアプリをインストールする必要がある。「個人のスマートフォンにアプリを入れてもらうのは、ややハードルが高いが、導入された高知市では住民が参加する避難訓練時にインストールしてもらった」と語る。

 スマホdeリレーは、現在は災害対策目的として官公庁や自治体との関係が主となっているが、今後は、山奥の工事現場など、通信環境が乏しい現場など、災害対策以外での用途展開も視野に入れている。

【訂正】記事の初出時、スマホdeリレーの説明に一部誤りがありました。上記記事はすでに訂正済みです(2020年6月9日20時35分)。



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