災害時に安否確認と情報共有を可能にする、インフォコムのクラウド型BCP対策:第24回「震災対策技術展」横浜(2/2 ページ)
大規模災害の発生時には、従業員の安否確認や業務担当者への緊急連絡が急務となる。同時に企業としての対応をスムーズに社内共有する手だても重要となる。インフォコムは、災害時に、コミュニケーションを滞りなく行えるシステムを開発し、大企業のBCP対策向けに提案している。
災害時の情報共有に役立つクラウドソリューション
災害時の事業継続に対する懸念事項としては、ネットワークに代表される社内インフラがダウンしてしまうことがある。そうした状況下で、ビジネス再開に向けた情報共有を行うには、より堅牢性に優れたコミュニケーションシステムの準備が不可欠となる。インフォコムがもう一つ出品したBCPortalは、災害時の情報共有を目的としたソリューションだ。
BCPortalは、クラウドを介して提供され、サーバは大阪と東京の2拠点で稼働しており、仮にどちらかが被災しても情報共有基盤としての機能が継続される。先に紹介したエマージェンシーコールで安否確認や緊急連絡を行った後のステップとして、業務再開あるいは編成変更など、各種の企業情報を発信・共有するためのソリューションがこのBCPortalとなる。
災害時は、とかく情報が分散・錯綜し、現場が混乱するものだ。しかし、BCPortalのような情報共有の場が既に用意されていれば、現場の状況を効率的に管理することができ、的確な指示や進捗の把握も実現する。
言わずもがなだが、災害はいつ発生するか分からない。ブースでは、BCPortalが災害以外の平常時にも社員間のコミュニケーションとして使える機能も説明された。
BCPortalには、プロジェクトメンバーや関係者だけが使えるチャットに似た機能を備える。他にも、アンケートや定形報告、閲覧者を限定した掲示板なども搭載されている。
情報共有ツールは、被災後に始めて使うと、逆に混乱を招く危険性がある。これに対してBCPortalは、災害時以外の平時でも便利に使える機能を提供し、普段から操作に慣れていると、災害時にも戸惑うことなく使える仕様にあえて設計している。
今後、インフォコムでは、エマージェンシーコールとBCPortalを連携することで、効率的なBCP対策を訴求していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 安藤ハザマが導入を進める自社製作の新ブレース工法、既設ビルの耐震改修にも
安藤ハザマは、既設のビルや工場の耐震改修に対応するコストを抑えたブレース工法を提案しており、既に大型の物流施設などで導入実績を重ねている。 - 多機能スマート街路灯やSNSの投稿から災害情報を収集する「自然言語処理」など、NEC
NECは、LED街路灯や河川の水位検知、SNSに書き込まれた内容をリアルタイムに解析する技術などを組み合わせ、災害に備えるトータルサービスを提案している。例えば、水位検知や自然言語の処理でSNSから得た情報は、スマート街路灯のデジタルサイネージやスピーカーなどを使い、被災地の情報提供や避難誘導などに役立てることが見込める。 - 揺れや温湿度をリアルタイム監視、エプソンとAnalog Devicesのセンサーを採用
ナレッジフォーサイトは、加速度と温湿度などを測るセンサーを活用して、地震が発生した時の揺れやインフラ構造物の振動をリアルタイムにモニタリングするサービスを展開している。 - 素材を生かした「メイド・イン・ローカル」のデザインメソッドが世界へ。建築家・芦沢啓治氏に聞く
一貫して素材に対し「正直なデザイン」を心掛け、他に2つと無い特徴的な作品を次々と世に送り出している建築家・芦沢啓治氏――。木や鉄、石の持つ表現力をそのまま生かすため、マテリアルと真正面に向き合い、まさに対話することで作品を生み出している。3.11の被災地に設立した家具ブランド「石巻工房」は、メイド・イン・ローカルを掲げ、マテリアルに向き合う個性的なデザインは守りつつも、EUやアジアでもパートナーを拡大させている。