新型コロナで建設業の“テレワーク”は?実態をヒューマン総研が緊急アンケート:業界動向(2/2 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛で、普及が進んでいるテレワークに関して、建設業界での導入状況を独自の緊急アンケートで調査した。
■設計職の導入率43.2%に対し、施工管理職は27.5%と低い状況
主要職種別に見ると、設計職では「既に導入されている」が43.2%であるのに対して、施工管理職では27.5%、設備管理・施設管理職では31.8%と導入率が低くなってる。また、「今後導入される予定はない」についても、施工管理職では56.9%、設備管理・施設管理職では50.0%に上り、現場での業務が多い施工管理職や設備管理・施設管理職はテレワークの導入があまり進んでいない。
【調査結果のポイント】
・建設技術者の職場では36.7%でテレワークを導入済み
・「従業員規模100人未満」の企業では導入率20.8%、小規模企業でのテレワーク導入が遅れている
・設計職の導入率は43.2%に対し、施工管理職は27.5%と職種でも差
ヒューマンタッチ総研所長・高本和幸氏は、建設技術者の職場におけるテレワークの導入について、「大規模企業では進んでいるが小規模企業ではあまり進んでいないこと、また、設計職では進んでいるが施工管理職や設備管理・施設管理職ではあまり進んでいないことが調査結果で分かった。新型コロナウイルス対策を契機として、建設技術職においても少なからずテレワークの導入が進んでいくと予測されるが、企業規模や職種による差も生じることが予想され、今後どのような広がりを見せるのか注目していく」と話す。
<調査の概要>
調査時期:2020年4月3〜10日
調査対象:ヒューマンタッチに登録している建設技術者
調査手法:インターネットによるアンケート調査
アンケート回収数:242人
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