調査リポート
建設技術者の求人倍率は踊り場に、新型コロナ拡大で需給ギャップは緩和か?:産業動向(2/2 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2020年4月分のマンスリーレポートを公表した。今回のトピックスでは、建設技術者の有効求人倍率について採り上げている。
新規求人数は、6万5149人で大幅に減少
建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は、4年8カ月ぶりに前年同月比で低下に転じ、6.65倍(前年同月比0.13ポイント減)となった。2019年12月以降は、2カ月連続で減少している傾向が続く。
有効求人数は過去12カ月で最も少ない5万5461人で、前年同月比95.2%。新規求人数も過去1年で最小の1万719人で、同89.6%となり、有効求人数とともに2カ月連続で前年を下回り、建設業各社の求人意欲は低下基調にあるとみられる。
建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月と同水準の5.46倍となり、継続的な上昇傾向に歯止めがかかった。
有効求人数は、2019年12月と2020年1月よりは増加し、10万759人であったものの前年同月比92.1%。新規求人数は3万3768人で先月より増加したが、同88.7%となり、ともに2カ月連続で前年を割り、建設業各社の求人意欲は低いことが推察される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 建設技術者の新規求人倍率は“57カ月ぶり”に前年割れ、70歳定年制のアンケート結果も
ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2020年3月分のマンスリーレポートを公表した。今回のトピックスでは、2020年1月にヒューマンタッチが実施した「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」を紹介している。 - 住宅は大和ハウスの一人勝ち、第3四半期決算から見る市況概要
ヒューマンタッチ総研は、建設業主要各社の2020年3月期第3四半期決算のまとめと今後の市場予測を公表した。レポートではプラント・エンジニアリング業を除く5業種は増収増益となり、土木では主要10社全て、ゼネコン、電気設備工事業、管工事業では9社が増収になったと報告している。 - IoT・生産性向上ソリューション講習会開催、ヒューマンタッチ総研
ヒューマンタッチ総研は、「建設技術者のためのIoT・生産性向上ソリューション講習会」を開催し、音声認識技術やウェアラブルIoT製品、ドローン点検などが紹介された。 - 市場分析や国交省の講演など建設業の問題をICTで解くセミナーを開催、ヒューマンタッチ総研
ヒューマンタッチ総研は、「建設業界を魅力ある業界へ 生産性向上と働き方改革」をメインテーマに掲げた建設技術者を対象としたセミナーを開催した。建設現場の最前線で活用されているICT技術やIoTネットワークインフラ、建設生産支援クラウド、話題となっているRPAの建設業界への導入についてなど、豊富な事例を交えて紹介した。 - ヒューマンタッチ総研が「建設技術者の2025年未来予測」、生産性向上の取り組みで2025年の不足者5.8万人分を解消
ヒューマンタッチ総研は「建設技術者の2025年未来予測」の2018年度版を発表した。予測シナリオでは、2025年に必要な建設技術者は6万人以上不足するとみられるが、i-Constructionや働き方改革の生産性向上の取り組みによって、不足者数は1万人を切るまでに改善されるという。 - 「ICT活用にはどんな心構えをすべきか」日建連の講演など、ヒューマンタッチ総研セミナー
ヒューマンタッチ総研は、「建設業界のためのICTを活用した生産性向上セミナー」を開催した。セミナーでは、独自の市場調査レポートや現場で必要とされる通信ネットワーク、外国人材活用のノウハウなどをテーマにした各種講演が行われた。