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Amazonの「LEED」認証活用事例や建物向け環境評価システムの未来などバイオフィリックデザインの本質(2/3 ページ)

近年、大手ゼネコンが手掛けた物件で環境認証システム「LEED」や「WELL」を取得する動きが盛んだ。一方、不動産会社では、自社のオフィスに職場環境を緑化する「バイオフィリックデザイン」などを採用し、従業員の生産性向上を図っている。今回、建設や不動産業界で関心を集めるLEEDやWELL、バイオフィリックデザインの最新動向が紹介されたセミナーをお届けする。

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LEEDとWELLの過去・現在・未来

 WELLは、Delos Livingが2014年に開発したシステムで、新築と既存のビル全体や、インテリア、コミュニティーなどを格付けする。世界における登録件数は2019年6月30日時点で、3506件で、全体のうち195件(22カ国)が認証を受けている。また、アメリカとイギリスが登録件数の大半を占めている状況だ。国内では近年、大林組や清水建設、竹中工務店が手掛けた建物でWELLを取得している。

 WELLは2015年、バージョン2にアップデートし、審査項目を刷新している。主な内容は「空気」「水」「食物」「光」「運動」「温熱快適性」「音」「材料」「こころ」「コミュニティー」の計10カテゴリーで構成されている。平松氏は、「注目すべきは、建物本体とは関係ない食物とこころのカテゴリーだ。食物については、新鮮野菜や果物が摂取しやすい環境かどうかがポイントになる。こころでは、良好なメンタルヘルスを維持するために、教育やバイオフィリックデザインを用いたオフィス作りなどが求められる」と解説した。


WELLバージョン2の特徴的要件抜粋

WELLバージョン2の特徴的要件抜粋

 平松氏は、「LEEDとWELLは、2006年から2011年までは、大都市を中心に大規模新築ビルで採用され、2012年は中小規模を含む既存のビルで利用された。2020年からは、エリア全体の評価に使用していく事例が増えていくと予想している。エリアの査定では、格差を測るジニ係数や家賃が手頃な物件が何件あるかなども考慮し価値判断されると思う。加えて、ユニクロがこのほどLEEDを受けたように、顧客と接する店舗でも、LEEDを取り入れていく動きは広がりをみせていくと踏んでいる」と総括した。


国内におけるLEEDとWELLの軌跡

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