戸田建設が、2年連続で「CDP気候変動Aリスト」に選定:業界動向
戸田建設は、気候変動に配慮した事業活動が評価され、2年連続で「CDP気候変動Aリスト」入りを実現した。
戸田建設の気候変動に配慮した取り組みが結実した。2020年1月、気候変動に対する活動を評され、環境評価を行う国際的な非営利団体CDPから、2019年度の「CDP気候変動Aリスト」に選定されたことが判明。2018年度に続く、2年連続のAリスト認定となった。
国内では38社がAリスト入り
CDPは、世界の上場企業を対象に気候変動対策に関する事績を調査し、得られた情報の評定と開示をしている。2019年度は、世界で179社、日本では同社を含む38社が気候変動Aリスト入りを果たした。2020年1月20日に都内で、CDPジャパン事務局主催の「2019年度CDP気候変動スコアリリース・日本報告会」が開かれ、戸田建設 取締役専務執行役員 戸田守道氏が出席し、Aリスト認定への感謝を述べた。
戸田建設は、2010年にゼネコンで初めて、環境大臣に企業が環境保全に関する取り組みを約束する制度「エコ・ファースト企業」で環境省から選定された。CO2排出量を1990年比で80%削減することを2050年目標に定め、環境大臣に誓い、達成状況は定期的に環境大臣へ報告している。
2017年8月には、日本の建設業界で初めて、CO2排出量削減目標が、パリ協定に合致する値である証「SBT(Science Based Targets)認定」を獲得した。2019年からは、エコ・ファースト企業で構成されるエコ・ファースト推進協議会の議長を務め、協議会の運営を支えるとともに、日本の気候変動に関して、国際的な数値目標達成をサポートしている。
2019年1月には、事業運営で使用する電力を100%再生可能エネルギー(再エネ)で調達することをゴールに掲げる企業が参加する国際団体「RE100イニシアチブ」に加盟。自社の事業活動で利用する電力を2050年までに100%再エネで集めることを宣言し、建設作業所を含めた全事業所で、再エネ電力の収集を促進している。
また、再エネの事業化も実行しており、最も代表的な事例には、長崎県五島列島で、国内初の商用運転を進めている浮体式洋上風力発電のプロジェクトがある。
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