NTTドコモとSAPジャパン、中小建設業者向け経営情報の一元化システムの開発に着手:製品動向
NTTドコモとSAPジャパンは、中小建設企業向けのクラウド統合基幹業務システム「ランドログERP」の共同検討を進めている。今後は、現場での検証に協力してもらえる試験導入企業と、金融や人事など他のシステムも統合するためパートナー企業を募り、2020年度下期の提供開始を目指す。
NTTドコモとSAPジャパンは2020年2月、中小建設企業向けのクラウド統合基幹業務システム「ランドログERP」の共同開発に合意したことを公表した。
建設に関わる経営管理情報を一元管理して業務を効率化
ランドログERPは、現状で各社が独立して運用している工事原価管理、財務会計、販売管理、購買管理、顧客管理などの経営管理情報をクラウド上で一元管理するシステム。ERPは、Enterprise Resource Planningの略で、企業を運営するのに必要な全てのコアプロセス(経理・財務、人事、製造、サプライチェーン、サービス、調達・購買など)を一つのシステムに統合したものを意味する。
新システムは、両者が出資するランドログの建設業界向けのIoTプラットフォーム「LANDLOG(ランドログ)」が持つIoTデータと連携させ、工事の進捗状況をプロジェクト管理システムや会計システムにリアルタイムに反映。月中での予算進捗状況をリアルタイムに確認できる機能や業界特有の会計機能を「SAP Business One」をベースに搭載すること、さらに中小建設企業が導入しやすい価格で提供することを開発目標としている。
システムの検討開始にあたり、生産性向上と働き方改革の実現に向け、導入効果を定量的に検証するための試験導入企業を募集。同時に、金融、保険、人事、労務システムなども統合する目的で、ITベンダーなどのパートナー企業も「ランドログパートナー制度」を介して広く求める。
効果検証では、SAPジャパンが2019年11月に開設したデジタル変革の拠点となる福島県会津若松市の「SAPイノベーションフィールド福島」を活用し、地元建設業者による実証実験も視野に入れる。
既に、第1弾のパートナーでは、東京海上日動火災保険が決定しており、システムから収集されたERPデータを利用して、損害保険引き受けに関するサービスの高度化や保険金支払い業務の効率化、人事や労務システムとの連携について検討していく。
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