BIM/CIMで現場のデータを“見える化”する新システム、関係者間の情報共有を容易に:BIM/CIM
現在、建設現場では、生産性向上を目的にBIM/CIMの使用が推進されているが、専用ソフトが高価な上、習熟に期間を要するため、十分に利用されていない状況だ。業界全体でBIM/CIMの使い方で苦慮する中、BIM/CIMを有効活用した新システムが登場した。
五洋建設はBIM/CIMの有効利用を推し進めている。2020年3月13日には、同社が、2017年に構築した「五洋土工情報収集システム」の機能を大幅に拡張し、BIM/CIMを活用して建設現場における多様な情報の収集と共有が行えるクラウドシステム「五洋施工情報収集共有システム」を開発したことが明らかになった。
ユーザー同士でコミュニケーションが可能
新システムは、現場活用に特化し、操作性に優れたBIM/CIMツールを搭載している上、ユーザー間でコミュニケーションがとれる機能も備えている。また、Webブラウザ上で見られるBIM/CIMモデルを用いた説明動画を記録し、コメントも書き込めるため、遠隔地にいるユーザーでも実装されたBIM/CIMモデルについて学べる。
さらに、国土交通省の令和元年度「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(PRISM)」に採択されており、国道106号与部沢トンネル工事で導入され、現場試行中だ。
与部沢トンネルでは、新システムで切羽写真、前方探査や坑内変位などの計測データを取得するとともに、トンネル掘削で生じる貫通側坑口部の斜面挙動を監視するため、地表面変位の測定結果をBIM/CIMモデルに表示している。
現場に適用した結果、情報基盤にBIM/CIMを用いることで3次元施工情報による関係者間のコミュニケーションが容易になり、データ収集や管理、資料作成、打ち合わせに要する移動時間を大幅に削減することが判明した。
今後、五洋建設は、建設現場の生産性向上と作業の省力化を実現するため、五洋施工情報収集共有システムを施工現場へ適用していく予定だ。
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