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日本郵便が本社ビルで、日立製エレベーターと連動した配送ロボの実証ロボット(1/2 ページ)

日本郵便は日立ビルシステムや日立製作所と共同で、郵便配送ロボットの実証実験を東京・大手町の本社ビルで行った。今回のテストでは、ロボットが自律走行で移動しながら、エレベーターと連携をとりつつ、人や障害物を適切に回避して目的地まで配達できることが確認された。

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 日本郵便は2020年3月3〜4日の両日、日立ビルシステム、日立製作所の協力のもと、物流分野での配送ロボットの活用に向けた実証実験を東京・大手町の本社ビル「大手町プレイスウエストタワー」で実施した。

エレベータと連携し、より実用を想定した環境で実証


日本郵便の本社内を移動する配送ロボット 提供:日本郵便

 実験では、自律式の配送ロボットが日立製エレベーターと連動して、フロア間を移動することで、社内便を配送した。

 日本郵便では、2017年度以降、配送ロボットの可能性を検証するため、実証実験を継続的に繰り返している。2019年1月には福島県双葉郡浪江町のふたば自動車学校及び南相馬市の災害公営住宅でテストし、屋内外の環境で、あらかじめ設定した経路通りに問題なくロボットが走行して配達する一連の動作を確認している。

 今回の実験は、前回の試行を踏まえ、屋内のマンションやビル、個宅への配送といった将来想定される業務運用に沿ったより実用に近いシーンを想定。屋内では、エレベーターを活用した立体的な移動が必要となるため、ロボットとエレベーターの連携を核に据え、始点から終点までを縦方向の自律移動することを目標とした。他にも、施設利用者との共存(回避、すれ違い、音声での周辺周知など)や配達先への到着通知、個人認証を踏まえた受け渡しも問題なく行えるか、精度も含めて実験した。


エレベーターのカゴに入り込むロボット 提供:日本郵便

 具体的な手順は、まずビル内14階のメールセンターで、作業員が走行ルートを指定するタブレット操作で、荷室を解錠してから、配達先ごとのボックスに社内便を格納し、手で蓋を閉めて積み込む。ロボットが走行ルートに沿って自動でエレベーターフロアまで移動すると、エレベーターを呼び出し、6〜9階のオフィスフロアに降りて、所定場所で停止して、社内便を受け渡す。その後、自らエレベーターに乗り込み、14階のメールセンターまで戻る。

 荷物の受け渡しは、社員のスマートフォンへメールでロボット到着を通知する。メールからWebにアクセスすると、個人認証用のArUcoマーカー(QRコードに似た白黒で図形が表示されているもの)が表示されるので、ロボットのカメラにかざすと、荷室のロックが解除され、取り出せる仕組み。


ロボット荷台に郵便物の積み込み 提供:日本郵便

社内便の受け取り 提供:日本郵便

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