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奥村組が自社施設をZEB化、1次エネルギー消費量を基準ビルに対して76%削減ZEB

奥村組は、同社技術研究所管理棟のZEB化や環境イニシアチブが公募する認定「ZEBリーディング・オーナー」を取得するなどZEBの展開を本格化している。

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 奥村組は2020年2月26日、神奈川県内にある同社の技術研究所管理棟をZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)改修し、建物の1次エネルギー消費量を基準ビルに対して75%以上削減して、認証機関から「Nearly ZEB」の認証を取得したと発表した。

 今回のZEB化改修により、環境イニシアチブが公募する認定制度「ZEBリーディング・オーナー」に登録されたことも併せて明かされた。

高断熱化外皮や高効率空調を導入

 奥村組は「人と地球に優しい環境の創造と保全」を目指すことを基本理念に、さまざまな省エネと創エネ技術への取り組みを進めてきた。ZEBに関しては、環境共創イニシアチブが公募する認定「ZEBプランナー」に申請し、2018年2月に登録され、同社が保有する環境技術を使用したZEBの構築や普及を推進してきた。


奥村組技術研究所管理棟の外観 出典:奥村組

 1986年に竣工した実用免振建物である技術研究所管理棟では、奥村組はZEBプランナーとして、ZEB化改修を設計・施工し、2020年2月から供用を開始した。建物のZEB化改修にあたり、省エネ技術として、断熱材の追加と窓の複層ガラス化による高断熱化外皮や高効率空調が導入された。

 また、快適性を保ちつつ、空調機のオンとオフを周期的に切り替えることで、ランニングコストを削減するパッシブリズミング空調システムや昼光センサーで制御が可能な高効率LEDも取り入れた。さらに、タスク・アンビエント照明などの要素技術を組み込み、創エネ技術としては、1時間あたりの総発電量が32.5キロワットに及ぶ太陽光発電を採用した。

 これらの改修で、建物の1次エネルギー消費量を基準ビルに対して55%カットし、太陽光発電による創エネ分を加えると76%の低減を達成した。なお、この事業は、静岡県環境資源協会の「2019年度 業務用施設などにおけるネット・ゼロ・エネルギー・ビル化・省CO2促進事業」のうち「ZEB実現に向けた先端的省エネルギー建物実証事業」における「『ZEB』・Nearly ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」に採択された。

 今後、奥村組は、ZEBリーディング・オーナーとして、先導的な省エネ技術を導入し、自社施設の運用段階における1次エネルギー消費量や室内環境(温度、湿度、照度など)のモニタリングを通じて、要素技術の省エネ効果を検証する。加えて、執務者へのアンケート調査などを実施し、快適性について精査するとともに、同社が掲げるZEBの普及目標や導入計画、実績を一般に公表していく。

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