建設技術者の新規求人倍率は“57カ月ぶり”に前年割れ、70歳定年制のアンケート結果も:産業動向(2/2 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2020年3月分のマンスリーレポートを公表した。今回のトピックスでは、2020年1月にヒューマンタッチが実施した「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」を紹介している。
新規求人数は、6万5149人で大幅に減少
雇用関連の月次データでは、2020年1月の建設業就業者数は459万人(前年同月比97.0%)で減少となった。一方、公共職業安定所(ハローワーク)の新規求人数は、6万5149人(前年同月比88.1%)と大幅に減少した。
厚生労働省では、「2020年1月から求人票の記載項目が拡充され、一部に求人の提出を見送る動きがあったことから、求人数の減少を通じて有効求人倍率・新規求人倍率の低下に影響していることに留意が必要 」としているが、ヒューマンタッチ総研は2月以降についても、新型コロナウィルスの影響などが懸念材料としてあり、今後の求人動向を注視するとしている。
建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比で0.04ポイント上昇して6.86倍。有効求人倍率は56 カ月連続で前年同月を上回ったが、上昇率はわずかにとどまった。有効求人数は、前年同月比98.2%と48カ月ぶりに前年同月を下回り、建設業各社の求人意欲の低下が心配される。
また、有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率を見ると、前年同月比0.69ポイント低下して7.85倍。新規求人倍率が前年同月を下回るのは、2015年4月以来の57カ月ぶりで、建設技術者の需給動向についても、注意を払わなければならないとコメントしている。
建設・採掘の職業 (常用・除くパート) の有効求人倍率は、前年同月比で0.08ポイント上昇して5.57倍だった。57カ月連続で前年同月を上回ったが、上昇率はわずかだった。
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