ポンプ機場で有効な流れ場や最適な配管の取り回しなどを確認可能なVR活用事例:第4回[次世代]火力発電EXPO(1/2 ページ)
荏原製作所は、設備のスケール間や各部品、周辺に存在する配管類の取り回しなどを正確に把握するため、VR技術の活用を推進している。
ポンプやコンプレッサーなどの産業機械や環境プラントの開発などを展開する荏原製作所は、「第4回[次世代]火力発電EXPO」(会期:2020年2月26〜28日、東京ビッグサイト)で、仮想空間上で設備の干渉チェックが行えるVRシステムを展示した。
VR上で設備にタッチすると振動
仮想空間上で設備の干渉チェックが行えるVRシステムは、適用事例として荏原製作所製高圧ポンプをイメージした3Dモデルのケースが挙げられた。事例では、VR上に配置した緑色のポンプ本体の周囲に、各種小配管やパルプ類の補器を置いた。補器類の取り回しによって、高圧ポンプの組み立てや運転、メンテンス時における作業性が変わるため、最適な補器類の取り回しを実現するため、VR技術を導入した。
今回のシステムは、3DCADでポンプ本体や補器類を設計する際に、対象物と作業者との距離感がつかみにくい課題を打開している。VR空間に利用者が没入することで、作業者の目線で各機器の位置や取り回しを調べられる。さらに、機器同士や人との干渉も確かめられるため、実機を製作すること無く、ポンプ本体の組み立てや運転、メンテナンス時における作業の有効性を検証できる。
システムの構成機材は、製造業向けVRソフトウェア「IC.IDO」やHTC製HMD「Vive」、位置検出用の専用ベースステーション、VRグローブ、VRグローブ用ソフトウェア、ワークステーションなど。
VRグローブやHMDを装着した利用者が、VR空間上で、ポンプ本体や各種小配管、パルプ類に触れるとグローブが振動する構造になっているので、接触が体感可能。3Dモデルは、IC.IDOとVRグローブ用のソフトウェアを組み合わせて作成したという。
荏原製作所の担当者は、「今後は、干渉チェック機能を搭載したVRシステムを活用し、業務内容や製品の改善を図っていく」とコメントした。
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