施設の案内板や誘導表示が不要に、床面に映像を投影し目的地まで誘導するシステムを開発:FM(1/2 ページ)
空港や駅、商業施設で働くスタッフは、訪日外国人観光客や高齢者などの案内に多くの時間を割いており、通常業務を円滑にこなせなくなっている。三菱電機は、こういった問題の解消を目指し、床面にアニメーションを投影し目的地まで誘導するシステムを開発した。
三菱電機は2020年2月18日、施設内の案内を効率化するアニメーションライティング誘導システム「てらすガイド」を2020年4月に発売することを発表した。
自動火災報知機と連動可能
従来、施設内における案内や注意喚起のサイン/ディスプレイは、利用者が見落としやすく、表示内容を変更する際には、貼り替え作業に費用や手間がかかるなど、維持管理の面で課題があった。さらに、近年、地方を中心に増加している大規模複合施設は、内部構造が複雑になっているケースが少なくないため、外国人や高齢者、車イスユーザーなどが円滑に目的地にたどり着けるように、情報を伝達するソリューションが求められている。
こういった要望に応えるのが、三菱電機が開発した新誘導システムてらすガイドだ。てらすガイドは、床面にピクトグラムや矢印、テキストなどの映像を投影し、施設利用者を目当ての場所まで案内する。これまでの案内表示板やステッカーなどのサインに比べ、視認性が高く、ステッカーの張り替えや表示板の作成も不要になるので、コストカットにもつながる。動線上で案内を示せるため、目的地と現在地の位置関係が容易に分かり、利用者は施設内をスムーズに動ける。
専用ソフトウェアをダウンロードしたタブレット端末などで、稼働時間をスケジューリングすることや時間帯に合わせて、表示内容を変えることも簡単だ。他の施設内設備と連動して、投影する内容も切り替えられる。例えば、自動火災報知機などの信号を受けられるように設定すれば、火災時に避難誘導を促す映像を床面に自動で照射するため、来館者が館内から退避するのがスムーズに行える。
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