令和元年度i-Construction大賞、ICT施工支援の静岡県など地方自治体ら25団体を選出:i-Construction(2/3 ページ)
国土交通省は、令和元年度のi-Construction大賞で、建設現場の革新的な取り組みを行った25団体の受賞者を発表した。ICT土工やBIM/CIM、点群などの導入事例が、i-Constructionの普及を後押しする先進事例として多数選出された。
「ふじのくにi-Construction推進支援協議会」が受賞
オリエンタルコンサルタンツは、トンネル工事で区間全体のCIMモデルを作成して、標準的な詳細設計ではできないトンネル細部構造の検証や補助工法の削減検討を行った。さらに一歩進んだCIM活用として、3次元設計データをVR化して設計を「見える化」。関係機関や地元住民との合意形成のスピードアップ、事業推進の円滑化がもたらされた。
高知河川国道事務所が発注した用石堤防漏水対策工事でCIMを活用した福留開発は、ICT施工を完全内製化。これまでに、直轄工事11件と県工事1件でICT施工の実績がある。ICT活用工事以外でも、部分的にICTを採り入れ、従来工法との融合で生産性をアップさせた。
また、社内では若手技術者を中心に、若手女性技術者をリーダーとするi-Con推進チームを結成。独自のICT施工マニュアルを作成し、チームがICT工事の各現場をサポートする体制を確立させた。
静岡県が全国に先駆け、ICT工事を支援する組織設立
地方公共団体などの取り組み部門では、静岡県の他、市町・業界団体などから成る「ふじのくにi-Construction推進支援協議会」が国土交通大臣賞を受賞した。
同協議会では、ICT活用工事の普及促進を図るため、中小規模の現場実情に即した現場支援や個別課題への対応を行っている。国土交通省、県、市町、各業界団体、日本建設機械施工協会、建設ICT関連メーカー、ソフトウェアベンダーなどの関係者を巻き込み、活動を通して得られた知見を県のICT活用工事の運用に反映させている。
また、県では、ICT工事で得られた3次元点群データを収集・登録するとともに、オープンデータとしてダウンロードできる全国初のサイト「3次元データ保管管理システム(PCDB)」を開設。自動運転に点群を利活用するなど、先進的な取り組みを進めている。
昭和土木設計とランドログがコンソーシアム会員部門で受賞
i-Construction推進コンソーシアム会員の取り組み部門では、国土交通大臣賞に、岩手県紫波郡に本社を構える地場コンサルの昭和土木設計とランドログの2者が国土交通大臣賞に選出された。
昭和土木設計は、他業界の設計者の目線を取り入れ、建設業界の既成概念にとらわれない独自のBIM/CIMを構想している。地場の建設業や測量業と連携し、3Dモデルの設計後の活用方法も考慮して、測量側または施工側の技術者を迎えた研修の他、他業種を招いた事例紹介の講習会も開催している。
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